FP1級過去問題 2020年9月学科試験 問36

問36

土地区画整理法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 宅地の所有権または借地権を有する者は、1人で、または数人共同して、当該権利の目的である宅地に係る土地区画整理事業の施行者となることができる。
  2. 仮換地が指定された場合、従前の宅地の所有者は、換地処分の公告がある日まで、従前の宅地について所有権移転の登記をすることができない。
  3. 仮換地が指定された場合、従前の宅地の所有者は、換地処分の公告がある日まで、従前の宅地について抵当権設定の登記をすることができない。
  4. 換地計画において定められた保留地は、換地処分の公告があった日の翌日に、換地計画において換地の所有者として定められた者が取得する。

正解 1

問題難易度
肢154.2%
肢211.1%
肢313.6%
肢421.1%

解説

  1. [適切]。土地区画整理事業は、個人、組合、行政事業が施行者となって実施します。宅地について所有権もしくは借地権を有する者等は、1人または数人共同して規約と事業計画を定め、都道府県知事の認可を受ければ施行者となることができます(土地区画整理法3条1項)。
    宅地の所有権または借地権を有する者は、1人で、または数人共同して、当該権利の目的である宅地に係る土地区画整理事業の施行者となることができる。2024.5-37-1
  2. 不適切。仮換地とは、換地処分が行われる前の段階で、従前の宅地に代えて暫定的に使用収益を認められる土地です。工事が完了した部分から順次、土地の利用を開始できるようにするなどを目的として指定されます。基本的には仮換地がそのまま換地となります。
    仮換地の指定がされると、従前の宅地について使用収益ができなくなりますが、まだ所有権は残っているため処分行為は可能です。したがって、換地処分の公告があるまでは、従前の宅地について所有権移転登記をすることができます。
    仮換地が指定された場合、従前の宅地の所有者は、当該仮換地に抵当権を設定することができるが、従前の宅地に抵当権を設定することはできない。2026.1-38-3
    仮換地が指定された場合、従前の宅地の所有者は、換地処分の公告がある日まで、従前の宅地について所有権の移転登記をすることができない。2024.5-37-2
    仮換地が指定された場合、従前の宅地の所有者は、当該仮換地について抵当権を設定することができるが、従前の宅地には抵当権を設定することはできない。2018.9-37-1
  3. 不適切。仮換地の指定を受けると、従前の宅地について使用収益ができなくなりますが、まだ所有権は残っているため処分行為は可能です。したがって、換地処分の公告があるまでは、従前の宅地に抵当権を設定することができます。一方、仮換地については使用収益できるだけで所有権は有しないため、抵当権を設定することはできません。
    仮換地が指定された場合、従前の宅地の所有者は、換地処分の公告がある日まで、従前の宅地について売買契約を締結することができない。2015.9-39-3
  4. 不適切。保留地とは、土地区画整理事業の施行費用に充てるなどの目的で、換地計画において所有者を定めなかった土地です。保留地は、換地処分の公告があった日の翌日に施行者が取得します(土地区画整理法104条11項)。
    土地区画整理組合が施行する土地区画整理事業の換地計画において定められた保留地は、換地処分の公告があった日の翌日において、施行者である当該組合が取得することになる。2026.1-38-4
    土地区画整理組合が施行する土地区画整理事業の換地計画において定められた保留地は、換地処分の公告があった日の翌日に、施行者である当該組合が取得することになる。2018.9-37-2
したがって適切な記述は[1]です。