FP1級 2021年1月 応用編 問51(改題)

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問51

Mさんは、Aさんに対して、健康保険の傷病手当金について説明した。Mさんが説明した以下の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を、解答用紙に記入しなさい。

 「Aさんが私傷病による療養のために連続して長期間労務に服することができず、その期間について事業主から給与が支払われない場合、Aさんは、()日目以降の労務に服することができない日について、全国健康保険協会の都道府県支部に対し、傷病手当金を請求することができます。
 仮に、傷病手当金の支給開始日の属する月以前の直近の継続した12カ月間のAさんの各月の標準報酬月額の平均額が36万円であり、傷病手当金の支給対象となる日について事業主から給与が支払われないとした場合、Aさんが受給することができる傷病手当金の額は、1日につき()円となります。傷病手当金の支給期間は、同一の疾病または負傷およびこれにより発した疾病に関しては、その支給開始日から通算して)です。
 なお、傷病手当金の支給対象となる日について事業主から給与が支払われる場合であっても、その支払われる給与の額が傷病手当金の額よりも少ないときには、その差額が傷病手当金として支給されます。また、同一の疾病または負傷およびこれにより発した疾病によって傷病手当金と障害厚生年金のいずれの支給要件も満たすときには、そのうち()は支給されません。ただし、受けることができる金額が()の額よりも少ないときには、その差額が()として支給されます」
日目
 
 

正解 

① 4(日目)
② 8,000(円)
③ 1年6カ月
④ 傷病手当金

分野

科目:A.ライフプランニングと資金計画
細目:4.社会保険

解説

〔①について〕
傷病手当金は、業務外の事由による病気やケガの療養のために仕事に就くことができず、連続して3日間会社を休んだとき、4日目以降の賃金支払いのない日について支給されます。
よって、正解は4(日目)となります。

〔②について〕
1日当たりの傷病手当金の額は、直近12ヵ月の標準報酬月額の平均を30分の1にして求めた報酬日額の3分の2相当額です。
51.png./image-size:452×42
本問では直近12カ月間の標準報酬月額が36万円なので、

 360,000円÷30×2/3=8,000円

よって、正解は8,000(円)となります。

〔③について〕
傷病手当金の支給期間は、支給開始日から起算して最長1年6カ月です。休業4日目からではなく支給開始日からというのがポイントで、仮に休業開始1日目から20日目まで有給を使った場合には、休業21日目が起算日になるということです。
よって、正解は1年6カ月となります。

〔④について〕
傷病手当金の支給を受けるべき者が、同一の傷病につき厚生年金保険から障害手当金(障害等級3級に満たない特定の人に支給される一時金)を受け取れる場合には、その障害手当金の額に達するまでの傷病手当金は支給停止となります。
また、障害厚生年金の日額が傷病手当金の日額以上であるときや、老齢や退職を事由とする公的年金を受給しているときも支給停止となります。
よって、正解は傷病手当金となります。