FP1級過去問題 2021年5月学科試験 問1

問1

ファイナンシャル・プランニングを業として行ううえでの関連法規に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問における独占業務とは、当該資格を有している者のみが行うことができる業務であるものとし、各関連法規において別段の定めがある場合等は考慮しないものとする。
  1. 税理士法により、他人の求めに応じて業として行う「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」は、有償・無償を問わず、税理士の独占業務である。
  2. 社会保険労務士法により、他人の求めに応じて報酬を得て業として行う事務であって、労働社会保険諸法令に基づいて有償で行う「申請書等の作成、その提出に関する手続の代行」「申請等の代理」「帳簿書類の作成」は、社会保険労務士の独占業務である。
  3. 不動産の鑑定評価に関する法律により、他人の求めに応じて報酬を得て業として行う「不動産の鑑定評価」は、不動産鑑定士の独占業務である。
  4. 土地家屋調査士法により、不動産の権利に関する登記について、他人の依頼を受けて業として行う「登記に関する手続の代理」「法務局に提出する書類の作成」は、有償・無償を問わず、土地家屋調査士の独占業務である。

正解 4

問題難易度
肢110.5%
肢211.0%
肢36.2%
肢472.3%

解説

  1. 適切。税理士の独占業務は、他人の依頼を受けて業として行う「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」です。この3つの業務は有償無償を問わず、税理士の独占業務になります。
    税理士法により、他人の求めに応じて業として行う「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」は、有償・無償を問わず、税理士の独占業務である。2024.9-1-1
    税理士法により、他人の求めに応じて、業として行う「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」は、有償・無償を問わず、税理士の独占業務である。2022.5-1-c
    税理士法により、他人の求めに応じて業として行う「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」は、有償・無償を問わず、税理士の独占業務である。2019.5-1-2
    司法書士法により、不動産の権利に関する登記について、他人の依頼を受けて業として行う「登記に関する手続の代理」「法務局に提出する書類の作成」は、有償・無償を問わず、司法書士の独占業務である。2019.5-1-3
    税理士の独占業務として、有償・無償を問わず、「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」が、税理士法で定められている。2017.9-1-2
  2. 適切。社会保険労務士の独占業務は、労働社会保険諸法令に基づいて有償で行う「申請書類の作成、提出手続きの代行」「申告等の代理」「帳簿書類の作成」です。「年金受給額の試算」その他社会保険に関する相談業務は、社会保険労務士の資格がなくても業として行うことは可能ですので注意しましょう。
    社会保険労務士法により、他人の求めに応じて報酬を得て業として行う事務であって、労働社会保険諸法令に基づく「申請書等の作成、その提出に関する手続の代行」「帳簿書類の作成」「労使紛争に関する訴訟手続の代理」は、社会保険労務士の独占業務である。2024.9-1-3
    社会保険労務士法により、他人の求めに応じて、報酬を得て業として行う事務であって、労働社会保険諸法令に基づく「申請書等の作成、その提出に関する手続の代行」「申請等の代理」「年金額の試算」は、社会保険労務士の独占業務である。2022.5-1-a
    社会保険労務士法により、他人の求めに応じて報酬を得て業として行う事務であって、労働社会保険諸法令に基づく「申請書等の作成、その提出に関する手続の代行」「申請等の代理」「年金受給額の試算」は、社会保険労務士の独占業務である。2019.5-1-1
    社会保険労務士の独占業務として、報酬を得て業として行う事務であって、労働社会保険諸法令に基づく「申請書等の作成、その提出に関する手続の代行」「申請等の代理」「帳簿書類の作成」が、社会保険労務士法で定められている。2017.9-1-1
  3. 適切。不動産鑑定士は、不動産の有効利用の判定、適正な価格を判断する専門家として「不動産の鑑定評価」を行うことを業とします。他人の求めに応じて報酬を得て行う不動産の鑑定評価は、不動産鑑定士の独占業務になります。
    不動産の鑑定評価に関する法律により、他人の求めに応じて報酬を得て業として行う「不動産の鑑定評価」は、不動産鑑定士の独占業務である。2024.9-1-2
    不動産の鑑定評価に関する法律により、他人の求めに応じて報酬を得て業として行う「不動産の鑑定評価」は、不動産鑑定士の独占業務である。2019.5-1-4
    不動産鑑定士の独占業務として、報酬を得て業として行う「不動産の鑑定評価」が、不動産の鑑定評価に関する法律で定められている。2017.9-1-4
  4. [不適切]。土地家屋調査士の独占業務は、不動産の表示に関する登記(表題登記)について必要な「土地または家屋に関する調査または測量」「登記申請手続の代理」「法務局に提出する書類の作成」が定められています。本肢は、「権利に関する登記について」としているので不適切です。不動産の権利に関する登記を担うのは司法書士です。
    司法書士法により、不動産の権利に関する登記について、他人の依頼を受けて業として行う「登記に関する手続の代理」「法務局に提出する書類の作成」は、有償・無償を問わず、司法書士の独占業務である。2024.9-1-4
    土地家屋調査士法により、不動産の権利に関する登記について、他人の依頼を受けて業として行う「登記に関する手続の代理」「法務局に提出する書類の作成」は、有償・無償を問わず、土地家屋調査士の独占業務である。2022.5-1-b
したがって不適切な記述は[4]です。