FP1級過去問題 2021年5月学科試験 問6

問6

確定給付企業年金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 確定給付企業年金では、規約において、20年を超える加入者期間を老齢給付金の給付を受けるための要件として定めることはできない。
  2. 確定給付企業年金の老齢給付金は、60歳以上70歳以下の規約で定める年齢に達したとき、または40歳以上70歳未満の規約で定める年齢に達した日以後に退職したときに支給が開始される。
  3. 確定給付企業年金による年金給付は、2カ月に1回、終身または5年以上にわたって定期的に支給するものでなければならない。
  4. リスク分担型企業年金は、事業主が拠出する掛金に加えて、加入者が所定の方法により測定された将来のリスクに応じた掛金を拠出し、運用の結果、給付額に満たない積立金の不足が生じた場合は、事業主がその不足分を補填する仕組みである。

正解 1

問題難易度
肢149.7%
肢29.0%
肢318.2%
肢423.1%

解説

  1. [適切]。確定給付企業年金は、原則として60歳以上70歳以下の規約で定める年齢に達したときを満たした場合に支給になりますが、支給要件として20年を超える加入者期間を設定することはできません(DB法36条4項)。
    確定給付企業年金では、規約において、20年を超える加入者期間を老齢給付金の給付を受けるための要件として定めることはできない。2019.1-5-3
    確定給付企業年金では、規約において老齢給付金の受給資格を付与する期間を25年とすることができる。2016.9-6-2
  2. 不適切。退職日基準の年齢は40歳以上ではありません。確定給付企業年金の老齢給付金は、以下のいずれかの要件を満たしたときに支給になります(DB法36条2項・3項)。
    • 60歳以上70歳以下の規約で定める年齢に達したとき
    • 50歳以上70歳未満の規約で定める年齢に達した日以後に退職したとき
    確定給付企業年金の老齢給付金は、60歳以上70歳以下の規約で定める年齢に達したとき、または40歳以上70歳未満の規約で定める年齢に達した日以後に退職したときに支給が開始される。2022.9-6-4
    確定給付企業年金の老齢給付金は、60歳以上70歳以下の規約で定める年齢に達したとき、または40歳以上70歳未満の規約で定める年齢に達した日以後に退職したときに支給が開始される。2019.1-5-4
    確定給付企業年金の老齢給付金は、60歳以上70歳以下の規約で定める年齢に達したとき、または40歳以上60歳未満の規約で定める年齢に達した日以後に退職したときに支給が開始される。2016.9-6-3
  3. 不適切。確定給付企業年金において老齢給付金を年金形式で支給する場合、終身または5年以上にわたり、毎年1回以上定期的に支給するものでなければなりません(DB法33条)。1年に1回や半年に1回でもOKなので「2か月に1回支給するものでなければならない」という説明は誤りです。
    確定給付企業年金による年金給付は、終身または5年以上にわたり、毎年1回以上定期的に支給するものでなければならない。2016.9-6-4
  4. 不適切。積立金の不足が生じた場合は、給付額がその分減額されます。リスク分担型企業年金は、積立金の変動リスクや予定利率の低下リスクといった将来発生する財政悪化リスクを企業と従業員等で分担する企業年金です。運用の結果、不足が生じて、事業主の負担するリスク対応掛金分ではカバーしきれない状態に至った場合には加入者等の給付が減額されることになります。
したがって適切な記述は[1]です。