FP1級過去問題 2021年5月学科試験 問9

問9

保険契約者保護機構に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 生命保険会社が破綻した場合、更生計画が認可決定されて保険契約が移転されるまでの間、当該保険契約の解約や保険金額の減額、契約者貸付の利用などの手続が停止され、契約者(=保険料負担者)の保険料支払義務が免除される。
  2. 生命保険契約者保護機構による補償の対象となる生命保険契約のうち、年金原資が保証されている変額個人年金保険については、高予定利率契約を除き、生命保険会社破綻時、年金原資保証額の90%まで補償される。
  3. 損害保険契約者保護機構による補償の対象となる損害保険契約のうち、個人が締結した火災保険については、損害保険会社破綻後3カ月以内に保険事故が発生した場合、支払われるべき保険金の全額が補償される。
  4. 損害保険契約者保護機構による補償の対象となる損害保険契約のうち、法人が締結した任意加入の自動車保険については、損害保険会社破綻時、責任準備金等の90%まで補償される。

正解 3

問題難易度
肢19.2%
肢214.5%
肢364.2%
肢412.1%

解説

  1. 不適切。破綻後も保険料の支払いは免除されません。保険会社が破綻した場合は、救済する保険会社に保険契約が移転されるまで、保険の解約や変更・転換、保険金額の減額、契約者貸付等の手続が停止されます。ただし、保険料支払義務が免除されるわけではないので、保険契約の継続を希望する場合には継続して保険料を払うことが必要です。
  2. 不適切。保険金や年金原資保証額の90%ではありません。年金原資が保証されている変額個人年金保険については、高予定利率契約を除き、生命保険会社破綻時の責任準備金等90%まで補償されます。
  3. [適切]。火災保険については、保険会社破綻後3カ月以内に保険事故が発生した場合、保険金額の100%まで補償されます。破綻後3カ月経過後は責任準備金等の80%までの補償となります。
  4. 不適切。90%ではありません。損害保険契約者保護機構が補償対象とする保険契約のうち、①自賠責保険、②家計地震保険、③自動車保険、④疾病や障害に関する保険は契約者を問いません。したがって、法人が契約した自動車保険も個人が加入したものと同じく、破綻後3か月以内は保険金額の100%まで、3か月経過後は責任準備金等の80%まで補償されます。一方、火災保険その他の損害保険は、保険契約者が個人・小規模法人・マンション管理組合であるものに限られます。
    ※破綻時において常時雇用者数が20人以下の日本法人
したがって適切な記述は[3]です。
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