FP1級過去問題 2021年5月学科試験 問10

問10

外貨建終身保険に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 外貨建終身保険の積立利率は、支払保険料に対する外貨ベースの運用利回りを表したものであり、積立利率に最低保証利率を設定しているものもある。
  2. 市場価格調整(MVA)機能を有する外貨建終身保険は、市場金利に応じた運用資産の価格変動が解約返戻金額等に反映され、契約時と比較した解約時の市場金利の上昇は、解約返戻金額の減少要因となる。
  3. 外貨建終身保険(平準払い)の保険料は、毎回一定額の外貨を保険料に充当する払込方法を選択することにより、ドルコスト平均法によって、為替変動リスクを軽減する効果が期待できる。
  4. 外貨建終身保険(平準払い)の保険金は、外貨による受取りとなり、受取時の為替相場により保険金の円換算額は影響を受けるが、円換算支払特約を付加することにより、為替変動リスクを回避することができる。

正解 2

問題難易度
肢112.8%
肢256.6%
肢319.0%
肢411.6%

解説

  1. 不適切。外貨建終身保険の積立利率は、最低保証利率が設定されているものが多くありますが、この積立利率は、支払った保険料に対する外貨ベースの運用利回りではなく、支払保険料のうち積立金部分に対しての外貨ベースの運用利回りを表しています。
  2. [適切]。市場価格調整(MVA)とは、市場金利に応じた運用資産(債券等)の価格変動に伴って増減する仕組みです。
    市場価格調整の仕組みを持つ保険では、解約時の市場金利が契約時と比較して上昇した場合には解約返戻金が減少し、逆に下落した場合には解約返戻金は増加することになります。これは、市場価格調整の仕組みを持つ保険が一部または全部を債券で運用されており、市場金利が高く(低く)なると債券価格が下がり(上がり)、解約返戻金に充てるための売却価格が下落(上昇)するためです。
  3. 不適切。平準払いでの保険料は、払込金額が外貨で確定するものと円で確定するものがあります。外貨で確定する場合は、そのときの為替相場によって円換算の保険料(毎回支払う保険料)は変動することになります。一方、円で確定するものであれば、外貨高のときは少し買い、外貨安のときは多く買うというドルコスト平均法のメカニズムが働くので、為替変動リスクを軽減する効果が期待できます。
  4. 不適切。外貨建て終身保険に付加する円換算支払特約とは、保険金を円貨で受け取るために付加する特約で、為替リスクを回避するわけではありません。契約時の円建ての死亡保険金額は、外貨ベースの死亡保険金額を契約時点での為替レートで円換算したものですので、受取時の為替相場によっては当初予定していた死亡保険金額から増減することもあります。
したがって適切な記述は[2]です。