FP1級過去問題 2021年5月学科試験 問41

問41

Aさんは、土地収用法等の規定に基づく公共事業のために、収用等によりその所有する土地建物を譲渡した。この場合における「収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例」(以下、「課税繰延べの特例」という)と「収用交換等の場合の譲渡所得等の特別控除」(以下、「特別控除の特例」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
  1. 課税繰延べの特例の適用を受けた場合、譲渡益のうち代替資産の取得価額の80%に相当する部分の金額に対する課税を将来に繰り延べることができる。
  2. 課税繰延べの特例の適用を受けた場合、代替資産の取得時期は収用等により譲渡した資産の取得時期が引き継がれる。
  3. 特別控除の特例の適用を受けた場合、譲渡所得の金額の計算上、譲渡益から特別控除として最大3,000万円を控除することができる。
  4. 特別控除の特例の適用を受けるためには、特別控除後に譲渡所得の金額が算出されない場合であっても、確定申告書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。

正解 2

問題難易度
肢18.4%
肢234.4%
肢314.9%
肢442.3%

解説

  1. 不適切。収用に伴う補償金で代替資産を購入し、課税繰延べの特例の適用を受けると、譲渡収入のうち代替資産の金額まで課税を繰り延べることができます。本肢は「80%まで」としているので誤りです。
    譲渡金額≦取得金額であれば譲渡所得はなかったものとなり、譲渡金額>取得金額であれば差額のみが譲渡収入となります。
  2. [適切]。課税繰延べの特例の適用を受けた場合、代替資産は譲渡資産の取得時期から所有していたとみなされるため、代替資産の取得時期は、譲渡資産の取得時期を引き継ぎます。これは、課税を繰り延べる特例の共通パターンです。
  3. 不適切。収用交換等の場合の特別控除では、収用等により資産を譲渡した場合において、その譲渡が事業施行者等から最初に買取り等の申出があった日から6か月以内に行われている場合など、一定の要件を満たすときは、その資産の譲渡所得等から最高5,000万円を控除することができます。
  4. 不適切。特別控除の特例の適用を受けて、特別控除後に譲渡所得の金額が算出されない場合、他に申告すべき所得がないのであれば確定申告書を提出する必要はありません。
したがって適切な記述は[2]です。