FP1級過去問題 2022年1月学科試験 問5
問5
厚生年金保険の被保険者が死亡した場合の遺族厚生年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各被保険者は遺族厚生年金の保険料納付要件を満たしているものとし、記載のない事項については考慮しないものとする。
- 被保険者であるAさん(35歳)と同居して生計維持関係にあった者が妹(30歳)のみである場合、妹は遺族厚生年金の受給権を取得することはできない。
- 被保険者であるBさん(40歳)と同居して生計維持関係にあった者が妻(28歳)と長女(3歳)である場合、妻が取得する遺族厚生年金の受給権は、当該遺族厚生年金の受給権を取得した日から起算して5年を経過したときに消滅する。
- 被保険者であるCさん(45歳)と同居して生計維持関係にあった者が夫(50歳)と長女(21歳)である場合、夫および長女は遺族厚生年金の受給権を取得することはできない。
- 被保険者であるDさん(50歳)と同居して生計維持関係にあった者が父(75歳)と母(75歳)である場合、双方が遺族厚生年金の受給権を取得し、それぞれに支給される遺族厚生年金の額は、受給権者が1人である場合に算定される額を2で除して得た額となる。
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正解 2
問題難易度
肢110.0%
肢266.6%
肢314.1%
肢49.3%
肢266.6%
肢314.1%
肢49.3%
分野
科目:A.ライフプランニングと資金計画細目:5.公的年金
解説
- 適切。遺族厚生年金の受給対象者は、1.妻、2.子、3.夫、4.父母、5.孫、6.祖父母(夫、父母、祖父母は55歳以上)で最も優先順位の高い人が受給権を取得することができます。兄弟姉妹は、受給権を取得することはできません(厚年法59条1項)。残された遺族がAさんと同居して生計維持関係にあった父(70歳)と母(67歳)である場合、父と母のいずれか一方が遺族厚生年金の受給権を取得することになる。(2016.9-5-3)
- [不適切]。夫の死亡時に30歳未満で子がいない妻に対する遺族厚生年金は、5年間の有期給付となります。Bさんの妻は28歳ですが3歳の子がいるため、有期年金とはならずに継続して年金を受給することができます(厚年法63条1項5号イ)。残された遺族がAさんと同居して生計維持関係にあった妻(28歳)と長男(5歳)である場合、妻が取得する遺族厚生年金の受給権は、当該受給権を取得した日から起算して5年を経過したときに消滅する。(2016.9-5-2)
- 適切。受給対象となる遺族の条件は、夫は55歳以上であること、子は18歳になった年度の3月31日までの間※かつ婚姻していないことであるため、50歳の夫と21歳の長女はともに遺族厚生年金の受給権を取得することはできません(厚年法59条1項)。
※障害等級1級・2級の子は20歳未満厚生年金保険の被保険者である妻(45歳)が死亡し、その妻によって生計を維持されていた遺族が夫(42歳)と子(15歳)の2人である場合、遺族基礎年金および遺族厚生年金は夫に支給される。(2025.1-5-3)厚生年金保険の被保険者で、その被保険者期間が25年6カ月である妻(49歳)が被保険者期間中に死亡し、その妻に生計を維持されていた遺族が夫(50歳)と子(14歳)の2人である場合、遺族基礎年金および遺族厚生年金は夫に支給される。(2022.5-6-1)厚生年金保険の被保険者で、その被保険者期間が30年6カ月である妻(52歳)が被保険者期間中に死亡し、その妻に生計を維持されていた遺族が夫(52歳)と子(16歳)の2人である場合、遺族基礎年金は夫に支給され、遺族厚生年金は子に支給される。(2021.9-5-3)10年前から厚生年金保険の被保険者であった妻が死亡し、妻と生計を同じくしていた夫(50歳)と子(22歳)がいる場合に、夫の前年の収入が年額850万円未満であるときは、夫に遺族厚生年金が支給される。(2021.1-4-2)厚生年金保険の被保険者であり、その被保険者期間が384月である妻(50歳)が死亡し、その妻に生計を維持されていた遺族が夫(50歳)と子(15歳)の2人である場合、夫は遺族基礎年金と遺族厚生年金を受給することができる。(2018.1-3-2) - 適切。同順位の遺族が2人以上いるときは、支給される遺族厚生年金の額をその頭数で割った額がそれぞれに支払われます。よって、受給権者が2人であれば、2で割った額となります(厚年法60条2項)。厚生年金保険の被保険者である者(40歳)が死亡し、その者によって生計を維持されていた遺族が父親(61歳)と母親(62歳)の2人である場合、遺族厚生年金は、受給権者が1人である場合に算定される額を2で除して得た額が父親と母親にそれぞれ支給される。(2025.1-5-4)
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