FP1級過去問題 2022年1月学科試験 問12

問12

株式会社X社では、X社を契約者(=保険料負担者)および死亡保険金受取人、代表取締役社長Aさん(40歳)を被保険者とする保険期間10年以上の定期保険の加入を検討している。X社が支払う定期保険の保険料の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、X社はAさんを被保険者とする他の生命保険には加入していない。
  1. 最高解約返戻率が50%以下である場合、支払保険料の全額を期間の経過に応じて、損金の額に算入する。
  2. 最高解約返戻率が50%超70%以下で、かつ、年換算保険料相当額が30万円以下の保険に係る保険料を支払った場合、支払保険料の全額を期間の経過に応じて、損金の額に算入する。
  3. 最高解約返戻率が70%超85%以下である場合、保険期間の開始から4割相当期間においては、当期分支払保険料に6割を乗じた金額は資産に計上し、残額は損金の額に算入する。
  4. 最高解約返戻率が85%超である場合、保険期間の開始から解約返戻金相当額が最も高い金額となる期間の終了の日までは、当期分支払保険料に7割(保険期間の開始から10年目までは9割)を乗じた金額は資産に計上し、残額は損金の額に算入する。

正解 4

問題難易度
肢18.6%
肢227.1%
肢318.0%
肢446.3%

解説

  1. 適切。最高解約返戻率が50%以下の契約については、支払保険料の全額を損金算入することが可能です。
  2. 適切。最高解約返戻率が70%以下で、被保険者1人当たりの年換算払込保険料が30万円以下の一定の保険は、全額損金扱いとなります。なお、複数の保険会社で複数の保険契約に加入している場合は、合算して判断されます。
  3. 適切。最高解約返戻率が70%超85%以下の契約については、保険期間の前半40%経過するまで、当期分支払い保険料の6割は資産計上は資産計上して、残りは損金計上します。
  4. [不適切]。最高解約返戻率が85%超である場合、当初10年間は「支払保険料×最高解約返戻率の9割」を資産計上、11年目以降最高解約返戻率の期間の最終日までは「支払保険料×最高解約返戻率の7割」を資産計上します。本肢は「×最高返戻率」の部分が抜けているので誤りです。
したがって不適切な記述は[4]です。
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