FP1級過去問題 2022年1月学科試験 問13

問13

個人が契約する任意の自動車保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
  1. 人身傷害保険では、被保険者が被保険自動車の運転中に事故を起こして、被保険者や同乗者に生じたケガによる治療費・休業損害や死亡・後遺障害による逸失利益等を補償する。
  2. 車両保険において、自損事故により被保険自動車が全損した場合、保険金額を限度に実際の損害額から契約(更新)時に設定した免責金額を差し引いた額が保険金として支払われる。
  3. 自動車保険のノンフリート等級別料率制度において、対人・対物賠償の保険事故があった後に更新する場合は等級が2つ下がり、盗難・台風・落書き等により車両保険から保険金を受け取った場合は等級が1つ下がる。
  4. 自動車を譲渡して自動車保険契約を解約する際に、中断証明書を取得すれば、中断後に、新たに契約する自動車保険の契約始期日が解約日から5年以内である場合に限り、中断前の契約の等級を引き継いで再開することができる。

正解 1

問題難易度
肢136.7%
肢232.6%
肢312.7%
肢418.0%

解説

  1. [適切]。人身傷害保険は、被保険者や同乗者が死傷した場合に保険金が支払われる保険で、過失割合にかかわらず、ケガによる治療費・休業損害や死亡・後遺障害による逸失利益のほか、介護料、葬儀費用、慰謝料等を補償します。
  2. 不適切。修理費が保険金額未満となる分損の場合、被保険者の自己負担分である免責金額を差し引いて保険金が支払われますが、全損の場合、免責金額は差し引かれず自己負担なしで保険金が支払われます。
  3. 不適切。ノンフリート等級別料率制度は、事故を起こした場合に等級が下がり割引率も下がります。対人・対物賠償、自損事故で保険を使ったとき翌年の等級は3等級下がり、盗難・台風・火災・落書き・騒じょう等で車両保険を使ったときは1等級下がります。
    ノンフリート等級別料率制度では、前年度契約において対人・対物賠償保険から保険金が支払われた場合、保険契約の更新時に等級が3つ下がり、前年度契約において盗難・台風・落書き等により車両保険から保険金が支払われた場合、保険契約の更新時に等級が1つ下がる。2023.1-14-3
  4. 不適切。車を手放すときは、保険会社に申請して中断証明書を取得しておけば、等級を解約日から10年間引き継ぐことができます。再び車を保有することになったとき最初の6等級から始めるよりも有利です。私も車通勤から自転車通勤に変えたときに中断証明書を取得した経験があります。
    ノンフリート等級別料率制度では、自動車を譲渡して自動車保険契約を解約する際に中断証明書を取得した場合、中断後に新たに契約する自動車保険の契約始期日が解約日から10年以内であれば、中断前の契約の等級を引き継ぐことができる。2023.1-14-4
    自動車を売却や廃車等をして自動車保険契約を一時的に中断した際は、中断証明書を取得すれば、所定の要件を満たすことを条件に、中断後の新契約に中断前の契約の等級を適用できる。2014.9-13-2
したがって適切な記述は[1]です。