FP1級過去問題 2022年1月学科試験 問27

問27

居住者であるAさんの2023年分の各種所得の収入金額等が下記のとおりであった場合の総所得金額として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、Aさんは青色申告を行っていないものとし、記載のない事項については考慮しないものとする。
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  1. 10万円
  2. 20万円
  3. 30万円
  4. 35万円

正解 3

問題難易度
肢18.4%
肢216.6%
肢349.7%
肢425.3%

解説

まず各所得の金額を計算し、それを損益通算して総所得金額を求めます。
事業所得
800万円-900万円=▲100万円
不動産所得
700万円-640万円=60万円
※土地の取得に要した借入金の利子は、赤字である場合に他の所得との損益通算ができないというだけで、必要経費から除外されるわけではないので注意
一時所得
500万円-350万円-50万円=100万円
損益通算する際には、控除する所得の順序が定められています。具体的には、①経常所得(事業所得、不動産所得、利子所得、配当所得、給与所得、雑所得)と、②臨時所得(総合譲渡所得、一時所得)、③山林所得、④退職所得に分け、下図のとおりの順序で通算を行います。
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したがって、最初に経常・臨時のグループごとに第1次通算を行います。
①経常グループ
不動産所得から事業所得の損失を控除して「60万円-100万円=▲40万円」
②臨時グループ
一時所得だけが該当するので、臨時グループの合計は100万円となります。
損失がなくなったので、これで損益通算は終了します。
次に第二次通算として、臨時グループの100万円から経常グループの▲40万円を差し引きます。

 100万円-40万円=60万円

損益通算後に残ったのは一時所得の60万円のみです。一時所得は総収入金額に算入する際に1/2にするので、総所得金額は、

 60万円×1/2=30万円

したがって[3]が正解です。