FP1級過去問題 2022年5月学科試験 問8

問8

キャッシュ・フロー計算書(間接法)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 「売上高の減少」「販売費及び一般管理費の増加」は、営業活動によるキャッシュ・フローが減少する要因となる。
  2. 「有形固定資産の取得」「投資有価証券の取得」は、投資活動によるキャッシュ・フローが減少する要因となる。
  3. 「自己株式の取得」「社債の償還」は、財務活動によるキャッシュ・フローが減少する要因となる。
  4. 「借入金の返済」は、フリー・キャッシュ・フローが減少する要因となる。

正解 4

問題難易度
肢14.6%
肢221.7%
肢322.2%
肢451.5%

解説

  1. 適切。「売上高の減少」は現金の流入が減ったため、「販売費及び一般管理費の増加」は現金の流出が増えたためキャッシュ・フローの減少要因となります。
    「売上高の減少」「販売費及び一般管理費の増加」「売上債権の増加」は、いずれも営業活動によるキャッシュ・フローが減少する要因となる。2020.9-8-2
  2. 適切。「有形固定資産の取得」「投資有価証券の取得」は、取得のために現金の流出が増えたためキャッシュ・フローが減少する要因となります。
    「固定資産の増加」「短期借入金の減少」「配当金の支払」は、いずれも投資活動によるキャッシュ・フローが減少する要因となる。2020.9-8-3
  3. 適切。「自己株式の取得」や「社債の償還」は、自社株買いや債務の弁済といった財務活動による現金の流出が増えたため、財務活動によるキャッシュフローの減少要因となります。
  4. [不適切]。フリー・キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローから投資キャッシュ・フローを差し引いた額です。「借入金の返済」は、財務キャッシュフローの減少要因であり、営業キャッシュ・フローや投資キャッシュ・フローに該当しないため、フリー・キャッシュ・フローの増減には影響しません。
したがって不適切な記述は[4]です。