FP1級過去問題 2022年5月学科試験 問33

問33

デジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制(以下、「本制度」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
  1. 青色申告書を提出する法人で、産業競争力強化法の認定事業適応事業者であるものが、認定事業適応計画に記載された情報技術事業適応設備を取得等して事業の用に供した場合に、原則として、特別償却または税額控除のいずれかを選択して適用を受けることができる。
  2. 本制度の適用を受けるためには、認定事業適応計画において、「投資額に対する新商品等の収益の割合が10倍以上」「商品等1単位当たりの製造原価等を8.8%以上削減」等の定量的な指標を設定する必要がある。
  3. 本制度の特別償却の適用を受ける場合、特別償却限度額は情報技術事業適応設備の取得価額および事業適応繰延資産の額の合計額(300億円が上限)の50%相当額となる。
  4. 本制度の税額控除の適用を受ける場合、税額控除額はカーボンニュートラルに向けた投資促進税制の税額控除額と合計して、法人税額の20%相当額が限度となる。

正解 3

問題難易度
肢19.5%
肢222.7%
肢350.7%
肢417.1%

解説

  1. 適切。本制度の対象事業者は、青色申告書を提出しており、事業適応計画を提出している認定事業適応事業者となります。特別償却(30%)または税額控除(3%または5%)のいずれかを選択できる制度です。
  2. 適切。本制度の適用を受けるためには、制度上の計画(認定事業適応計画)において、以下のいずれかを設定することが必要です。
    • 商品等1単位あたりの製造原価を8.8%以上削減する等
    • 計画期間内で、ROAを2014年から2018年の平均に対して1.5%ポイント向上させる
    • 計画期間内で、売上高伸び率を過去5年度の業種売上高伸び率+5%ポイント以上向上させる
  3. [不適切]。本制度で受けられる特別償却の優遇措置において、投資額は300億円が上限になり、特別償却を選択する場合はその30%が限度となります。
    法人が本制度による特別償却の適用を受ける場合における特別償却限度額は、地方活力向上地域特定業務施設整備計画が移転型計画である場合、特定建物等の取得価額の25%相当額とされている。2016.1-32-3
  4. 適切。本制度で受けられる税額控除の優遇措置は、カーボンニュートラル投資促進税制の控除と合わせて、法人税額の20%までとなっています。
    一定の機械装置を取得し、本制度による税額控除の適用を受ける場合、税額控除限度額は、当該事業年度の法人税額の20%相当額を限度として、取得価額の10%相当額となる。2020.1-29-3
したがって不適切な記述は[3]です。