FP1級過去問題 2022年5月学科試験 問32

問32

消費税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 新設された株式会社は、設立1期目および2期目の基準期間がないため、原則として、設立1期目および2期目は消費税の納税義務が免除されるが、その事業年度の開始の日における資本金の額が1,000万円以上である場合、納税義務は免除されない。
  2. 給与収入のみを得ていた会社員である子が、相続により被相続人である父親の個人事業を承継した場合、原則として、相続があった年の基準期間における被相続人の課税売上高の多寡にかかわらず、相続があった年は消費税の納税義務が免除される。
  3. 簡易課税制度の適用を受けようとする者は、原則として、その適用を受けようとする課税期間の開始の日の前日までに、「消費税簡易課税制度選択届出書」を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
  4. 消費税の確定申告書は、原則として、消費税の課税事業者である法人は事業年度の末日の翌日から2カ月以内に、消費税の課税事業者である個人はその年の翌年3月31日までに、納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。

正解 2

問題難易度
肢123.2%
肢264.7%
肢34.3%
肢47.8%

解説

  1. 適切。法人を設立すると新規事業者とみなされるので、資本金等の額が1,000万円以上である場合を除き、個人のときの前々年の課税売上高にかかわらず、1期目は免税事業者となります。
  2. [不適切]。「課税売上高の多寡にかかわらず」という記述が誤りです。
    免税事業者や事業を行っていない人(会社員)などが相続により被相続人の個人事業を承継した場合、相続があった年の基準期間における被相続人の課税売上高が1,000万円を超える場合は、その年は課税事業者となります。
    新たに開業した個人事業者は、原則として、開業した年分における課税売上高の多寡にかかわらず、消費税の納税義務が免除される。2021.9-32-1
    新たに開業した個人事業者は、原則として、開業した年分における課税売上高の多寡にかかわらず、消費税の納税義務が免除される。2019.9-31-1
  3. 適切。簡易課税制度を選択しようとする事業者は、適用を受けようとする課税期間の開始の日の前日まで(事業を開始した日の属する課税期間である場合には、その課税期間中)に、「消費税簡易課税制度選択届出書」を納税地の所轄税務署長に提出する必要があります。
    簡易課税制度の適用を受けようとする事業者は、原則として、その適用を受けようとする課税期間の初日から2カ月以内に、消費税簡易課税制度選択届出書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。2022.1-32-1
    簡易課税制度の適用を受けようとする事業者が、高額特定資産の仕入れ等を行った場合、当該資産の仕入れ等の日の属する課税期間の初日から同日以後5年を経過する日の属する課税期間の初日の前日までの期間は、消費税簡易課税制度選択届出書を提出することができない。2022.1-32-3
    簡易課税制度の適用を受けようとする者は、原則として、その適用を受けようとする課税期間の開始の日の前日までに、「消費税簡易課税制度選択届出書」を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。2019.9-31-2
    簡易課税制度の適用を受けようとする者は、原則として、その適用を受けようとする課税期間の開始の日の前日までに、「消費税簡易課税制度選択届出書」を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。2018.9-33-2
    簡易課税制度の適用を受けようとする者は、原則として、その適用を受けようとする課税期間の開始の日の前日までに、「消費税簡易課税制度選択届出書」を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。2015.9-33-1
  4. 適切。個人の場合は翌年3月31日、法人の場合は事業年度末の翌日から2カ月以内が消費税の申告期限と納期限です。
    消費税の課税事業者である個人は、原則として、消費税の確定申告書をその年の翌年3月15日までに納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。2022.9-33-3
    消費税の課税事業者である個人は、原則として、消費税の確定申告書をその年の翌年3月31日までに納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。2021.9-32-4
    消費税の確定申告書は、原則として、消費税の課税事業者である法人は事業年度の末日の翌日から2カ月以内に、消費税の課税事業者である個人はその年の翌年3月31日までに、納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。2020.9-32-4
    消費税の課税事業者である個人は、原則として、消費税の確定申告書をその年の翌年3月15日までに納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。2018.9-33-4
したがって不適切な記述は[2]です。