FP1級過去問題 2022年5月学科試験 問39

問39

不動産取得税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
  1. 2023年中に被相続人の相続人以外の者が、被相続人が作成した遺言による特定遺贈により土地を取得した場合、不動産取得税は課される。
  2. 2023年中に被相続人の相続人が、被相続人との死因贈与契約に基づき、被相続人の相続開始に伴って土地を取得した場合、不動産取得税は課されない。
  3. 2023年中に取得した住宅に係る不動産取得税の税率は、特例税率である5%が適用されるが、課税標準となるべき額が土地の取得の場合は10万円、家屋の取得の場合は1戸につき23万円に満たない場合、不動産取得税は課されない。
  4. 2023年中に自己の居住用として新築の戸建て住宅(床面積105㎡、認定長期優良住宅に該当する)を購入した場合、課税標準となるべき価格から最高1,500万円が控除される。

正解 1

問題難易度
肢151.0%
肢222.0%
肢315.1%
肢411.9%

解説

  1. [適切]。相続による取得、包括遺贈による取得、相続人に対してなされた特定遺贈による取得の場合には、不動産取得税は課されませんが、相続人以外の者に対してなされた特定遺贈は、贈与の一種とみなされて不動産取得税が課されます(地方税法73条の7第1号)。
    被相続人の相続人以外の者が、被相続人の遺言による特定遺贈により土地を取得した場合、当該土地の取得には不動産取得税は課されない。2024.1-38-1
    2023年中に被相続人の相続人が、被相続人との死因贈与契約に基づき、被相続人の相続開始に伴って土地を取得した場合、不動産取得税は課されない。2022.5-39-2
    被相続人の相続人以外の者が、被相続人が作成した遺言による特定遺贈により土地を取得した場合、不動産取得税は課されない。2019.9-40-3
    被相続人の相続人である者が、被相続人との死因贈与契約に基づき、被相続人の相続開始に伴って土地を取得した場合、不動産取得税は課されない。2019.9-40-4
  2. 不適切。死因贈与とは、贈与をする人(贈与者)と贈与をされる人(受贈者)の双方の合意によって締結される贈与契約です。法定相続人への遺贈の場合は不動産取得税は非課税とされていますが、死因贈与の場合は通常の不動産取得税が課されます。
    被相続人の相続人以外の者が、被相続人の遺言による特定遺贈により土地を取得した場合、当該土地の取得には不動産取得税は課されない。2024.1-38-1
    2023年中に被相続人の相続人以外の者が、被相続人が作成した遺言による特定遺贈により土地を取得した場合、不動産取得税は課される。2022.5-39-1
    被相続人の相続人以外の者が、被相続人が作成した遺言による特定遺贈により土地を取得した場合、不動産取得税は課されない。2019.9-40-3
    被相続人の相続人である者が、被相続人との死因贈与契約に基づき、被相続人の相続開始に伴って土地を取得した場合、不動産取得税は課されない。2019.9-40-4
  3. 不適切。住宅を取得した場合の不動産取得税の税率は3%(本則は4%)となっています。不動産取得税の免税点は、土地の取得:10万円、家屋を建築で取得:23万円/戸、その他のもの:12万円/戸なので、この金額未満の取得については不動産取得税は課されません。
  4. 不適切。床面積が50㎡(一戸建て以外の貸家は40㎡)以上240㎡以下の新築住宅を取得した場合、不動産取得税の課税標準から1戸につき1,200万円(認定長期優良住宅は1,300万円)を課税標準から控除することができます。1,500万円ではありません。
    2023年中に自己の居住用として床面積200㎡の認定長期優良住宅を新築した場合、不動産取得税の課税標準となるべき価格から最高で1,300万円が控除される。2024.1-38-4
したがって適切な記述は[1]です。