FP1級過去問題 2023年1月学科試験 問3

問3

雇用保険の基本手当および高年齢求職者給付金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、受給資格者は就職困難者に該当せず、所定の手続はなされているものとする。
  1. Aさん(32歳)は、9年間勤務した会社を2023年4月30日に自己都合退職した。Aさんの基本手当の所定給付日数は120日である。
  2. Bさん(48歳)は、従来から恒常的に実施されている会社の早期退職優遇制度に応募して、25年間勤務した会社を2023年6月30日に退職した。Bさんの基本手当の所定給付日数は330日である。
  3. Cさん(55歳)は、人員整理等に伴い事業主から退職勧奨を受けたことにより、18年間勤務した会社を2023年11月30日に退職した。Cさんの基本手当の所定給付日数は270日である。
  4. Dさん(65歳)は、2023年10月20日に65歳となり、42年間勤務した会社を同年10月31日付で定年退職した。Dさんの高年齢求職者給付金の支給額は、原則として基本手当の日額に相当する額の30日分である。

正解 3

問題難易度
肢18.6%
肢222.8%
肢357.4%
肢411.2%

解説

  1. 不適切。自己都合退職者や定年退職者等の一般離職者の所定給付日数は、年齢に関係なく被保険者であった期間(算定基礎期間)のみによって決まります。Aさんの勤務年数は9年なので、所定給付日数は下表より90日です。
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    Bさん(34歳)は、大学卒業後に入社し、11年8カ月勤務した会社を2023年11月30日に自己都合退職した。この場合、Bさんが2カ月間の給付制限経過後に受給することができる基本手当の日数は、最大で120日である。2022.1-4-2
    Cさん(50歳)は、25年間勤務した会社が経営難から倒産し、2023年11月30日に離職した。この場合、特定受給資格者に該当するCさんが受給することができる基本手当の日数は、最大で330日である。2022.1-4-3
    Dさん(60歳)は、会社の継続雇用制度の利用を希望せず、38年8カ月勤務した会社を2023年11月30日に定年退職した。この場合、Dさんが受給することができる基本手当の日数は、最大で150日である。2022.1-4-4
    Dさん(62歳)は、44年間勤務した会社を2023年3月末に自己都合退職した。この場合、長期加入者の特例により、Dさんが受給することができる基本手当の日数は、最大で240日である。2016.1-2-4
    Cさん(52歳)は、30年間勤務した会社が経営難から廃業に追い込まれ、2023年12月末で解雇された。この場合、特定受給資格者に該当するCさんが受給することができる基本手当の日数は、最大で240日である。2015.1-2-3
  2. 不適切。人員整理等に伴う早期退職の募集に応じて離職した場合は、定年退職と同じく一般離職者として扱われます。一般離職者で被保険者期間であった期間が20年以上の場合、所定給付日数は150日です。
  3. [適切]。事業主から退職を勧奨されたことにより離職した場合は、会社都合による退職として特定受給資格者となります。特定受給資格者は年齢と被保険者であった期間により所定給付日数が異なりますが、55歳・18年間の人は270日となります。
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  4. 不適切。65歳以上の被保険者が離職した場合、求職者給付として基本手当に代わり一時金の高年齢求職者給付金が支給されます。高年齢求職者給付金の支給額は、被保険者であった期間が1年以上の人は基本手当日額の50日分、1年未満であった場合には基本手当日額の30日分となっています。Dさんの高年齢求職者給付金の額は、基本手当日額の50日分なので記述は誤りです。
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したがって適切な記述は[3]です。