FP1級過去問題 2023年5月学科試験 問18

問18

わが国と米国の国債に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. わが国の変動金利型10年満期の個人向け国債の基準金利は、利子計算期間の開始日の前月までの最後に行われた6カ月物国庫短期証券の入札における平均落札利回りであり、6カ月ごとに見直される。
  2. わが国の物価連動国債の満期は10年であり、最低額面金額は10万円、振替単位は10万円の整数倍である。
  3. 2013年度以降に発行されたわが国の物価連動国債は、償還時の連動係数が1を下回る場合、額面金額で償還される。
  4. 米国の国債には、償還期間が1年以下の割引債であるトレジャリービル(Treasury Bills)、2年以上10年以下の利付債であるトレジャリーノート(Treasury Notes)、10年超の利付債であるトレジャリーボンド(Treasury Bonds)がある。

正解 1

問題難易度
肢137.2%
肢232.1%
肢318.4%
肢412.3%

解説

  1. [不適切]。変動金利型10年満期の個人向け国債の基準金利は、利子計算期間の開始日の前月までの最後に行われた、10年固定利付国債の入札における平均落札価格を基に計算される複利利回りとなっています。10年物なので短期証券ではなくて長期証券を基準にします。
  2. 適切。物価連動国債は、全国消費者物価指数の動向に連動して元本額が増減する(物価が上昇すれば利子額と償還額が増える)仕組みをもつ債券です。満期は10年、最低額面金額は10万円で振替単位は10万円の整数倍です(物価連動国債は10・10・10です)。
  3. 適切。物価連動国債では、償還額が物価に連動して増減しますが、2013年度以降に発行された物価連動国債については償還時の連動係数が1を下回る場合、額面金額で償還される元本保証(フロア)が設定されています。
  4. 適切。米国の財務省が発行する国債は「トレジャリー」と呼ばれ、償還までの期間によって、償還期間が1年以下のトレジャリービル、2年以上10年以下のトレジャリーノート、10年超のトレジャリーボンドの3つに分けられます。
したがって不適切な記述は[1]です。