FP1級過去問題 2024年5月学科試験 問41

問41

不動産の有効活用の手法の一般的な特徴に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。
  1. 等価交換方式は、地主が所有する土地の全部または一部を提供し、事業者が建設資金を負担して当該土地に建物を建設し、完成した建物とその敷地の所有権等を地主と事業者がそれぞれの出資割合に応じて保有する手法であり、地主は自己資金を使わず、建物の一部を取得することができる。
  2. 建設協力金方式は、地主が金融機関から建設資金を借り受けて、所有する土地に事業者の要望に沿った店舗等を建設し、その建物を事業者に賃貸する手法であり、建設資金は賃料の一部で返済していくため、事業者が撤退するリスクや契約内容を事前に精査しておくことが肝要である。
  3. 事業受託方式は、地主の依頼を受けた事業者が、地主が所有する土地の有効活用の企画、建物の建設や建設する建物の管理・運営等を受託し、賃貸事業の運営を行う手法であり、地主は建設資金を調達する必要はなく、建物の所有名義は事業者となる。
  1. 1つ
  2. 2つ
  3. 3つ
  4. 0(なし)

正解 1

問題難易度
肢150.6%
肢235.5%
肢311.2%
肢42.7%

解説

  1. 適切。等価交換方式では、土地所有者が土地を提供し、デベロッパーが建設資金を負担して建物を建設します。建物が完成したら、土地所有者とデベロッパーが建物とその敷地を出資割合に応じて所有します。資金提供の代わりに土地を提供するので、自己資金がなくても利用できる方式です。
  2. 不適切。建設協力金方式は、その建物に入居予定のテナント(事業者)から借り受けた建設協力金をもとに、土地所有者が建物を建設し、完成した建物をテナントに貸し出す事業方式です。土地所有者が金融機関から建設資金を借り受ける必要はありません。完成した建物は土地所有者の名義となり、テナントへ貸し出します。賃貸借契約期間中はテナントから賃料を受け取りますが、賃料の一部は建設協力金の返済部分と相殺されます。事業者が撤退すると他に使い道のない建物が残ってしまうので、その部分のリスクを考慮する必要があります。
  3. 不適切。事業受託方式は、土地所有者の自己資金や調達した借入金を元手として、企画立案・建設・管理・運営といった事業を一貫してデベロッパーに委託する手法です。完成した建物の名義は土地所有者となります。
したがって適切なものは「1つ」です。