FP1級過去問題 2024年9月学科試験 問41

問41

下記の〈条件〉に基づく不動産投資における①DSCRおよび②NOI利回りの組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮せず、計算結果は小数点以下第3位を四捨五入すること。

〈条件〉
投資物件
賃貸マンション(RC造10階建て、築15年)
投資額
7億円(資金調達:自己資金2億円、借入金額5億円)
賃貸収入
年間4,500万円
運営費用
年間1,200万円(借入金の支払利息は含まれていない)
借入金返済額
年間2,270万円(元利均等返済、返済期間25年)
  1. ① 0.69  ② 4.71%
  2. ① 0.69  ② 6.43%
  3. ① 1.45  ② 4.71%
  4. ① 1.45  ② 6.43%

正解 3

問題難易度
肢113.8%
肢211.9%
肢362.0%
肢412.3%

解説

〔①について〕
DSCR(借入金償還余裕率)は、借入金返済の安全性を測る指標で、以下の式で計算します。

 DSCR=NOI÷元利金返済額

NOIは正味利益や純収益とも呼ばれ、賃貸収入から管理費等を差し引いた金額です。管理費には支払利息、税金支払い、減価償却費を含めません。本問では、賃貸収入が4,500万円、支払利息を除く運営費用が1,200万円なので、

 NOI=4,500万円-1,200万円=3,300万円

借入金返済額は元利合計で年間2,270万円なので、DSCRは、

 3,300万円÷2,270万円=1.453…
(小数点以下第3位を四捨五入)1.45

〔②について〕
NOI利回り(純利回り・ネット利回り)は、諸費用も考慮された実質的な利回りで、年間収入から諸経費を引いた純収益を投資額で除して算出されます。

 NOI利回り(%)=年間収入額-年間費用投資額×100

純収益が3,300万円、投資額は7億円なので、NOI利回りは、

 3,300万円7億円×100=4.714…%
(小数点以下第3位を四捨五入)4.71

したがって[3]の組合せが適切です。