FP1級過去問題 2024年9月学科試験 問42
問42
民法における贈与に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。- 定期贈与とは、定期の給付を目的とする贈与であり、受贈者が死亡した場合は、その相続人に定期の給付を受ける権利が承継される。
- 負担付贈与とは、受贈者に一定の給付をなすべき義務を負わせる贈与であり、受贈者の負担によって利益を受ける者は、贈与者以外の第三者とすることができる。
- 死因贈与は、民法における遺贈に関する規定が準用され、贈与者の一方的な意思表示により成立し、贈与者の死亡によってその効力を生じる。
- 書面によらない贈与では、履行の終わった部分について、受贈者が解除をすることはできるが、贈与者が解除をすることはできない。
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正解 2
問題難易度
肢12.6%
肢277.0%
肢313.7%
肢46.7%
肢277.0%
肢313.7%
肢46.7%
分野
科目:F.相続・事業承継細目:1.贈与と法律
解説
- 不適切。定期贈与は、契約に別段の定めがない限り、贈与者または受贈者の死亡によりその効力を失います。したがって、贈与者・受贈者のどちらの死亡でも、相続人が権利義務を承継することは基本的にありません。これは定期贈与が当事者同士の人間関係を基礎としていることが多いためです(民法552条)。定期贈与とは、定期の給付を目的とする贈与であり、贈与税額の計算上、定期金に関する権利の価額が贈与税の課税価格となる。(2022.9-42-1)定期贈与契約は、贈与者または受贈者の死亡により、その効力を失う。(2021.9-42-1)
- [適切]。負担付贈与契約とは、受贈者に一定の債務を負担させることを条件にした贈与です。第三者に対する債務の履行または労務の提供を条件にして財産を贈与するなどのように、第三者がその負担からの利益を受ける負担付贈与契約も可能です。このとき、その負担が第三者の利益に帰すときは、第三者は負担額に相当する金額を贈与により取得したことになります。負担付贈与とは、受贈者に一定の給付をなすべき義務を負わせる贈与であり、その受贈者の負担から利益を受ける者は贈与者に限られる。(2024.1-42-3)負担付贈与とは、受贈者に一定の給付をなすべき義務を負わせる贈与であり、その受贈者の負担から利益を受ける者は贈与者に限られる。(2022.9-42-2)負担付贈与契約とは、受贈者に一定の負担を課す贈与であり、その受贈者の負担から利益を受ける者は贈与者に限られる。(2019.9-42-1)負担付贈与契約とは、受贈者に一定の負担を課す贈与であり、その受贈者の負担から利益を受ける者は贈与者に限られる。(2015.10-42-3)
- 不適切。遺贈の法的な性質は贈与者の一方的な意思表示により成立する単独行為ですが、死因贈与契約は受贈者の合意を必要とする契約行為です。死因贈与にはその性質に反しない限り、遺贈の規定が準用されますが、準用される範囲は効力に関するものであって、遺書能力・方式・承認・放棄に関する規定は準用されません。死因贈与契約は、民法における遺贈に関する規定が準用され、贈与者の一方的な意思表示により成立し、贈与者の死亡によってその効力を生じる。(2021.9-42-4)死因贈与契約は、民法における遺贈に関する規定が準用され、贈与者の一方的な意思表示により成立し、贈与者の死亡によってその効力を生じる。(2019.9-42-3)死因贈与契約は、遺贈に関する規定が準用され、贈与者の一方的な意思表示により成立する。(2015.10-42-2)
- 不適切。履行の終わった部分は解除できません。口約束などのように書面によらない贈与契約では、まだ履行していない部分に限り、当事者双方から撤回することができます(民法550条)。
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