FP1級過去問題 2025年5月学科試験 問21

問21

外貨建MMFの一般的な特徴等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 外貨建MMFは、運用実績に応じて毎日分配が行われ、分配金が毎日再投資されるため、所有期間が長くなるほど複利効果が大きくなる。
  2. 居住者が所有する外貨建MMFに係る分配金は、配当所得として申告分離課税の対象となり、20.315%が源泉徴収等されるが、総合課税を選択して配当控除の適用を受けることもできる。
  3. 外貨建MMFは、所有期間中に運用管理費用(信託報酬)が発生するが、解約時に解約手数料や信託財産留保額はかからない。
  4. 外貨建MMFは、一般顧客が国内に本店のある証券会社に開設した外国証券取引口座で購入し、同口座で保有するものであっても、日本投資者保護基金による補償の対象とならない。

正解 3

問題難易度
肢116.0%
肢218.8%
肢342.5%
肢422.7%

解説

  1. 不適切。毎日ではありません。外貨建てMMFでは、毎日分配金が支払われますが、分配金が再投資されるのは毎月末です。毎月末にその月の分配金の合計額がまとめて再投資されます。
  2. 不適切。外貨建MMFは、外貨建ての公社債や短期の金融商品のみで運用される外国投資信託の一つなので、収益分配金は利子所得として20.315%の税率で源泉徴収されます。なお、確定申告をすることで株式投資信託などの譲渡損失と損益通算をすることができますが、そもそもが配当所得ではないので、配当控除の適用は受けられません。
  3. [適切]。外貨建MMFは、申込手数料や解約時のコスト(解約手数料、信託財産留保額)といった売買手数料はかかりませんが、外貨建ての商品なので所定の為替手数料はかかります。また、所有期間中のコストとして運用管理費用(信託報酬)が発生します。
  4. 不適切。国内の証券会社が保護預かりしている株式・債券・投資信託は、国内・外国を問わず、日本投資者保護基金による補償の対象になります。外貨建MMFは、外貨で運用される公社債投資信託なので、日本国内に本店のある証券会社で購入したものであれば補償されます。
したがって適切な記述は[3]です。