FP1級 2026年5月 応用編 問54

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】
 Aさん(35歳)は、資産形成を目的として上場株式と投資信託への投資を行うことを検討している。上場株式については同業種のX社とY社に興味を持っており、X社とY社の財務データを比較してみたいと考えている。また、投資信託については投資信託Sと投資信託Tに興味を持っている。
 そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。

〈X社とY社の財務データ等〉(単位:百万円)
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〈投資信託S・投資信託Tの予想収益率〉
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  • 上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問54

《設例》の〈X社とY社の財務データ等〉に基づいて、Mさんが、Aさんに対して説明した以下の文章の空欄①~⑥に入る最も適切な語句または数値を、解答用紙に記入しなさい。
なお、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること。また、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。

 「X社とY社を自己資本当期純利益率で比較すると、X社の値が()%、Y社の値が□□□%であり、X社の値のほうが上回っています。この自己資本当期純利益率について、売上高当期純利益率、使用総資本回転率、財務レバレッジの3指標に分解すると、売上高当期純利益率は、X社の値が()%、Y社の値が□□□%、使用総資本回転率は、X社の値が()回、Y社の値が□□□回、財務レバレッジは、X社の値が()倍、Y社の値が□□□倍です。この結果から、自己資本当期純利益率の比較において、X社の値がY社の値を上回る主たる要因は、売上高に対する収益性の高さによるものであると考えられます。
 また、配当性向で比較すると、X社の値が□□□%であるのに対してY社の値が()%であり、X社の値のほうが高くなっています。
 なお、株主への利益還元の度合いを測る指標には、配当性向や株主資本配当率のほか、()があります。()は、当期純利益に対する配当金総額および自社株買い総額の合計の割合であり、配当金の支払による直接的な利益還元だけでなく、自社株買いによって1株当たりの利益が上昇することによる間接的な利益還元についても考慮した指標です」
 

正解 

① 7.96(%)
② 8.18(%)
③ 0.75(回)
④ 1.31(倍)
⑤ 32.79(%)
⑥ 総還元性向

分野

科目:C.金融資産運用
細目:5.株式投資

解説

〔①について〕
自己資本当期純利益率は「当期純利益÷自己資本×100」で求めます。X社の当期純利益は18,000、自己資本は純資産の額から「新株予約権」と「非支配株主持分」の2つを除いた「235,000-9,000=226,000」なので、自己資本当期純利益率は、

 18,000÷226,000×100=7.964…%
(小数点以下第3位四捨五入)7.96%

よって、正解は7.96(%)となります。

〔②について〕
売上高当期純利益率は「当期純利益÷売上高×100」で求めます。X社の当期純利益は18,000、売上高は220,000なので、売上高当期純利益率は、

 18,000÷220,000×100=8.181…%
(小数点以下第3位四捨五入)8.18%

よって、正解は8.18(%)になります。

〔③について〕
使用総資本回転率は「売上高÷総資本」で求めます。X社の売上高は220,000、総資本(=総資産)は295,000ですから、

 220,000÷295,000=0.745…回
(小数点以下第3位四捨五入)0.75回

よって、正解は0.75(回)になります。

〔④について〕
財務レバレッジは、他人資本への依存度を示す指標で「総資本÷自己資本」で求めます。自己資本比率の逆数であり、単位は"倍"です。X社の総資本(=総資産)は295,000、自己資本は①で計算した226,000ですから、財務レバレッジは、

 295,000÷226,000=1.305…
(小数点以下第3位四捨五入)1.31倍

よって、正解は1.31(倍)になります。

〔⑤について〕
配当性向は、当期純利益のうち、どの程度を株主への配当金として支払っているかを示す指標で、「配当金総額÷当期純利益×100」の算式で求めます。Y社の配当金総額は4,000、当期純利益は12,200なので、配当性向は、

 4,000÷12,200×100=32.786…%
(小数点以下第3位四捨五入)32.79%

よって、正解は32.79(%)となります。

〔⑥について〕
通常の配当性向は、当期純利益に対する配当金の割合だけを見ます。これに対して、配当金だけでなく、自社株買いに充てられた金額も含めて、株主にどれだけ利益を還元したかを見る指標を総還元性向といいます。総還元性向は次の式で求めます。

 総還元性向(%)=(配当金総額+自社株買い総額)÷当期純利益×100

よって、正解は総還元性向となります。
【補足】会社が市場から自社の株式を買い戻すと、流通する株式数が減り、1株当たりの利益や株式価値の向上につながることがあります。このため、自社株買いも株主還元の一種と考えられます。近年は、ROEや1株当たりの利益の改善のため、自社株買いが行われることが増えており、こうした自社買いも含めて広く還元度合いを把握できるのが、総還元性向の特徴です。