決算書と法人税申告書(全6問中1問目)

No.1

法人税申告書の各種別表に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2024年9月試験 問33
  1. 法人税申告書の総括表である「別表一」には、法人の事業種目、期末現在の資本金の額または出資金の額、当期利益または当期欠損の額、法人税額、地方法人税額などを記載する。
  2. 所得の金額の計算に関する明細書である「別表四」は、損益計算書に掲げた当期利益の額または当期欠損の額を基として、いわゆる申告調整により税務計算上の所得金額または欠損金額を計算するために使用する。
  3. 租税公課の納付状況等に関する明細書である「別表五(二)」は、利益積立金額の計算上控除する法人税等の税額の発生および納付の状況ならびに納税充当金の積立または取崩しの状況を明らかにするために使用する。
  4. 交際費等の損金算入に関する明細書である「別表十五」には、支出交際費等の額の明細とともに交際費等に係る損金算入限度額や損金不算入額などを記載する。

正解 1

問題難易度
肢143.4%
肢214.3%
肢321.5%
肢420.8%

解説

  1. [不適切]。「別表一」は法人税申告書の最初のページで、表紙や総括表の役割を担います。「別表一」に記載するのは法人名や住所、法人の事業種目などの申告者の情報と、別表四により算出された法人税法上の所得金額または欠損金額を基にした法人税額、地方法人税額などの計算過程とその金額です。期末現在の資本金の額または出資金の額は「別表五」、会計上の当期利益または当期欠損の額は「別表四」の記載事項です。
    「別表一(一)」は、法人税申告書の総括表であり、当該法人の事業種目、期末現在の資本金の額または出資金の額、当期利益または当期欠損の額、法人税額、地方法人税額などを記載する。2016.9-33-1
  2. 適切。「別表四」は、所得の金額の計算に関する明細書です。会計上の当期利益(欠損)に申告調整を行い、税務計算上の当期利益または欠損金額を計算するために使用します。会計上の当期利益(欠損)に加算項目(益金算入・損金不算入)と減算項目(損金算入・益金不算入)などを申告調整したうえで、法人税の所得金額を算出します。
  3. 適切。「別表五(二)」は、租税公課の納付状況等に関する明細書です。別表五(一)の利益積立金額の計算上控除する法人税・法人事業税・法人住民税その他税金の発生状況や納付状況、および納税充当金の積立てや取崩しの状況を明らかにするために作成されます。
  4. 適切。「別表十五」は、交際費等の損金算入に関する明細書です。法人税法上、交際費は損金算入できるものと損金不算入となるものがあります。「別表十五」は、支出交際費等の額の明細を示すとともに、損金算入限度額や損金不算入額を算出して記載します。
したがって不適切な記述は[1]です。