不動産の見方(全30問中18問目)
No.18
不動産の仮登記に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。2019年1月試験 問34
- 所有権移転の仮登記は、実体上の所有権移転が既に生じている場合には、申請することができない。
- 仮登記は、仮登記の登記義務者の承諾があるときは、当該仮登記の登記権利者が単独で申請することができる。
- 抵当権設定の仮登記に基づく本登記は、その本登記について登記上の利害関係を有する第三者がある場合、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。
- 売買予約を原因とした所有権移転請求権の仮登記は、本登記をしないまま10年が経過すると、時効により消滅する。
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正解 2
問題難易度
肢15.1%
肢262.6%
肢319.1%
肢413.2%
肢262.6%
肢319.1%
肢413.2%
分野
科目:E.不動産細目:1.不動産の見方
解説
- 不適切。契約等によって、すでに実体上の所有権の移転が生じている場合でも、所有権移転の仮登記を申請することは可能です。登記識別情報を失ったなどの理由で、本登記の手続きを進めるのに時間が必要なときに活用されます(不登法105条)。所有権移転の仮登記は、実体上の所有権移転が既に生じている場合、申請することができない。(2024.9-34-1)所有権移転の仮登記をした場合、当該土地に抵当権設定登記をすることはできるが、所有権移転登記をすることはできない。(2017.1-34-3)所有権移転の仮登記をした場合には、抵当権設定登記はできるが、所有権移転登記はすることができない。(2015.10-34-3)所有権移転の仮登記がされている場合には、抵当権設定登記はできるが、所有権移転登記はすることができない。(2015.1-34-3)
- [適切]。仮登記は、原則として登記義務者と登記権利者の共同申請ですが、登記義務者の承諾や裁判所の命令があるときは、登記権利者が単独で申請することができます(不登法107条)。仮登記は、仮登記の登記義務者の承諾または仮登記を命ずる処分がない場合、当該仮登記の登記権利者が単独で申請することはできない。(2024.9-34-2)仮登記の抹消の申請は、仮登記の登記名義人の承諾がある場合、仮登記の登記上の利害関係人が単独で行うことができる。(2021.9-34-3)仮登記の抹消の申請は、仮登記の登記名義人の承諾がある場合、仮登記の登記上の利害関係人が単独で行うことができる。(2015.1-34-1)
- 不適切。所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者がいる場合、その第三者の承諾があるときに限って申請することができます。これに対して、抵当権設定に関する登記の申請には、第三者の承諾は必要ありません(不登法109条)。抵当権設定の仮登記に基づく本登記は、その本登記について登記上の利害関係を有する第三者がある場合、当該第三者の承諾がない限り、申請することができない。(2024.9-34-4)抵当権の設定の仮登記に基づき本登記を申請する場合に、その本登記について登記上の利害関係を有する第三者があるときは、申請書に当該第三者の承諾書を添付しなければならない。(2022.5-34-2)所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者がある場合には、原則として当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができ、当該本登記の順位は当該仮登記の順位による。(2020.9-34-2)抵当権設定の仮登記に基づき本登記を申請する場合に、その本登記について登記上の利害関係を有する第三者があるときは、申請書に当該第三者の承諾書を添付しなければならない。(2016.1-34-4)抵当権設定の仮登記に基づき本登記を申請する際に、その本登記について登記上の利害関係を有する第三者がある場合、申請書にその第三者の承諾書等を添付しなければならない。(2014.1-34-4)
- 不適切。売買予約による所有権移転請求権の仮登記は、売買予約成立の日から5年を経過すると時効により消滅します。仮登記の原因である予約完結権が債権の消滅時効(権利行使をできることを知った時から5年)にかかるためです。
民法改正前は消滅時効は権利を行使することができる時から10年とされていましたが、主観的起算点が追加されたことにより5年となります。
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