不動産に関する法令上の規制(全68問中53問目)

No.53

建築基準法における容積率に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2016年9月試験 問36
  1. 前面道路の幅員が12m未満である敷地に建築物を建築する場合、当該建築物の容積率は、都市計画において定められた数値と前面道路の幅員に一定の数値を乗じて得た数値のうち、いずれか高いほうの数値が上限となる。
  2. 建築物の敷地が容積率の数値の異なる2つの地域にわたる場合、当該建築物の容積率は、各地域の容積率の限度に各部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じて得たものを合計した数値が上限となる。
  3. 建築基準法第42条2項の規定により道路の境界線とみなされる線と道路との間のいわゆるセットバック部分については、建物を建築することができないが、容積率の算定の基礎となる敷地面積に含めて計算することができる。
  4. 共同住宅の共用の廊下または階段の用に供する部分の床面積は、当該共同住宅の住宅の用途に供する部分の床面積の合計の3分の1を限度として、容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入されない。

正解 2

問題難易度
肢14.9%
肢276.7%
肢35.6%
肢412.8%

解説

  1. 不適切。建築物の敷地の前面道路の幅員が12m未満の場合、容積率には次の2つのうち低い方が適用されます(建築基準法52条2項)。
    • 都市計画で定める容積率
    • 前面道路の幅員×法定乗数
  2. [適切]。建築物の敷地が容積率の異なる2つ以上の地域にわたる場合、その容積率は、それぞれの地域の容積率を各面積割合で加重平均した値になります(建築基準法52条7項)。
  3. 不適切。セットバック部分は建蔽率および容積率算定の際の敷地面積に算入されません(建築基準法令2条1項1号)。
  4. 不適切。昇降機(エレベーターやエスカレーター)の昇降路部分、共同住宅や老人ホームで共用する廊下・階段については、容積率の算定基礎となる延べ面積に算入しないこととされています(建築基準法52条3項)。3分の1ではなく全てを算入しなくても良いことになっています。
したがって適切な記述は[2]です。