不動産に関する法令上の規制(全68問中55問目)

No.55

マンションの建替え等の円滑化に関する法律に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2016年9月試験 問38
  1. 耐震性不足により除却する必要がある旨の認定を受けたマンションについては、当該マンションに係る敷地利用権が数人で有する所有権である場合、区分所有者、議決権および当該敷地利用権の持分の価格の各5分の4以上の賛成で、マンションおよびその敷地の売却を行う旨を決議することができる。
  2. マンションおよびその敷地の売却決議で定めるマンションの買受人は、決議前に当該マンションに係る買受計画を作成して都道府県知事等の認定を受けた者でなければならない。
  3. マンションおよびその敷地の売却決議に反対した区分所有者は、マンションおよびその敷地の売却を行う組合に対し、区分所有権および敷地利用権を時価で買い取るよう請求することができる。
  4. 耐震性不足により除却する必要がある旨の認定を受けたマンションの建替えにより新たに建築されるマンションで、一定規模以上の敷地面積を有し、交通上、安全上、防火上および衛生上支障がなく、かつ、市街地の環境の整備・改善に資するものについて、特定行政庁の許可により建築基準法による容積率制限が緩和される。

正解 3

問題難易度
肢117.1%
肢214.6%
肢359.4%
肢48.9%

解説

  1. 適切。2014年(平成26年)6月に建替え円滑化法が改正され、耐震性不足の認定を受ければ、多数決によりマンションおよびその敷地を売却できる制度が創設されました。耐震性不足の認定を受けたマンションについては、区分所有者等の5分の4以上の賛成で、マンションおよびその敷地の売却を行う旨を決議できます。
  2. 適切。決議に係るマンションを買い受けようとする者は、決議前にマンションに係る買受計画を作成して、都道府県知事等の認定を受けます。また、決議で定める買受人は、認定を受けた者でなければなりません。
  3. [不適切]。改正後の建替え円滑化法によるマンション・敷地売却制度では、組合が決議に反対した区分所有者に対し、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すことを請求できます。
  4. 適切。マンションの建替えの円滑化等に関する法律(建替え円滑化法)に基づいて新たに建築されるマンションにおいては、一定の敷地面積を有し、交通・安全・衛生上支障がないことや、市街地の環境を整備・改善する等の条件を満たせば、特定行政庁の許可により容積率制限を緩和する仕組みが導入されます。
したがって不適切な記述は[3]です。