相続と法律(全52問中11問目)

No.11

法定相続情報証明制度(以下、「本制度」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2023年1月試験 問43
  1. 相続人が登記所において本制度による所定の申出をすることにより、登記官によって法定相続情報一覧図が作成され、その写しの交付を受けることができる。
  2. 本制度は、相続財産が預貯金のみであるときなど、被相続人名義の不動産がない場合でも利用することができる。
  3. 被相続人(代襲相続がある場合には、被代襲者を含む)の出生時からの戸籍および除かれた戸籍の謄本または全部事項証明書を添付することができない場合は、本制度を利用することができない。
  4. 申出をする登記所は、被相続人の本籍地、被相続人の最後の住所地、申出人の住所地、被相続人名義の不動産の所在地を管轄する登記所のいずれかを選択することができる。

正解 1

問題難易度
肢135.2%
肢25.7%
肢318.1%
肢441.0%

解説

  1. [不適切]。本制度は、相続人等が作成した法定相続情報一覧図を戸除籍謄本(出生時から亡くなるまでの連続した戸籍謄本および除籍謄本)等の必要書類と合わせ登記所に申し出ることで、法定相続情報一覧図の保管および写しの交付を求めることができるものです。写しには登記官の認証文等が記載され、各種相続手続を行う際に「戸籍の束」の代替として使用することができます。
    相続人が登記所において本制度による所定の申出をすることにより、登記官によって法定相続情報一覧図が作成され、その写しの交付を受けることができる。2020.9-46-1
    本制度に基づき、登記所において法定相続情報一覧図の写しの交付を受けるにあたっては、請求する通数にかかわらず、手数料は徴収されない。2020.9-46-3
    本制度の申出人は、申出日の翌年から5年間、法定相続情報一覧図の写しの再交付を受けることができる。2020.9-46-4
  2. 適切。本制度を利用することできるのは、相続登記その他の手続のために法定相続情報一覧図の写しを必要とする相続人等です。「その他の手続」のためでもOKなので、被相続人が不動産の名義人でなくても利用することができます。たとえば金融機関での相続手続きに利用する場合などです。
  3. 適切。本制度の申出書には、被相続人(代襲相続がある場合には、被代襲者を含む)の出生時からの戸除籍謄本または全部事項証明書を添付する必要があります。これらの書類がない場合には申出は受理されないので、本制度を利用することはできません。
  4. 適切。本制度の申出をする登記所は、①被相続人の本籍地、②被相続人の最後の住所地、③申出人の住所地、④被相続人名義の不動産の所在地のいずれかを管轄する登記所となります。
したがって不適切な記述は[1]です。