相続と法律(全46問中14問目)

No.14

法務局における遺言書の保管等に関する法律に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2021年9月試験 問44
  1. 遺言書の保管の申請は、遺言者の住所地、本籍地または遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する遺言書保管所に遺言者本人が出頭して行わなければならない。
  2. 遺言者は、いつでも保管の申請の撤回をすることにより、遺言書の返還を受けることができるが、この撤回は遺言書が保管されている遺言書保管所に遺言者本人が出頭して行わなければならない。
  3. 推定相続人の1人が遺言者の生前に遺言書の閲覧を請求し、当該遺言書の内容を確認した場合、原則として、遺言者本人および他の推定相続人にその旨が通知される。
  4. 遺言者の相続開始後、相続人の1人が遺言書情報証明書の交付の請求をし、当該相続人に遺言書情報証明書が交付された場合、原則として、他の相続人、受遺者、遺言執行者に遺言書を保管している旨が通知される。

正解 3

問題難易度
肢114.8%
肢211.8%
肢351.7%
肢421.7%

解説

  1. 適切。遺言書の保管の申請は、「遺言者の住所地または本籍地」または「所有する不動産の所在地」のいずれかを管轄する法務局に遺言者本人が出頭して行わなければなりません(遺言書保管法4条6項)。
  2. 適切。遺言書の保管の申請の撤回は、いつでも行うことができますが、遺言書保管所(法務局)に遺言者本人が出頭する必要があります(遺言書保管法8条3項)。
  3. [不適切]。遺言者の生前中は遺言者のみ閲覧の請求により内容の確認が可能です。よって、推定相続人の1人が遺言者の生前に遺言書の閲覧を請求することはできません(遺言書保管法9条1項)。
    相続発生後に相続人が閲覧した場合には他の相続人等に対して遺言書を保管している旨が通知されますが、遺言者の閲覧の請求ではこの通知は行われません。
  4. 適切。関係相続人等に遺言書情報証明書を交付又は遺言書の閲覧をさせたときは、遺言書を保管している旨が、他の相続人、受遺者、遺言執行者に通知されます(遺言書保管法9条5項)。
したがって不適切な記述は[3]です。