FP1級過去問題 2014年1月学科試験 問17

問17

株式投資信託の運用スタイル等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. マーケット・ニュートラル運用は、銘柄の買い建てと売り建てを同時に行いながら、ベンチマークに連動する運用成果を目指す手法である。
  2. アクティブ運用は、目標となるベンチマークを上回る運用成果を目指す運用スタイルである。
  3. バリュー投資は、企業価値や業績が株価に適正に反映されず、相対的に株価が割安であると判断される銘柄に投資する手法である。
  4. ベア型ファンドは、一般に、ベンチマークのリターンが正の場合は負のリターン、ベンチマークのリターンが負の場合は正のリターンとなるように運用されるファンドである。

正解 1

問題難易度
肢159.6%
肢22.3%
肢37.9%
肢430.2%

解説

  1. [不適切]。マーケット・ニュートラル運用とは、買い建て(ロング)する金額と同額の売り建て(ショート)を行う手法です。割安な銘柄を買い建て、割高な銘柄を売り建てることで、市場全体の値動きに影響されずに運用利益を出そうとする運用方法です。市場全体の動きに影響されないことを目的とするので、「ベンチマークに連動しない運用成果を目指す」が適切説明となります。
  2. 適切。アクティブ運用は、目標とするベンチマークを上回る運用成果を目指す運用スタイルです。
  3. 適切。バリュー投資は、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などを分析し、その企業の利益水準や資産価値などからして株価が割安にあると考えられる銘柄に投資する運用スタイルです。
    バリュー投資は、PER・PBR等が低い銘柄、配当利回りが高い銘柄など、企業の業績や財務内容等から株価が割安と判断される銘柄を選定して買い付ける手法である。2021.9-17-3
    PERやPBRなどの指標を用いて、企業の業績や財務内容等から株価が割安と判断される銘柄を選定して運用する手法は、一般に、グロース運用という。2018.9-17-1
    グロース運用は、一般に、PERやPBRなどの指標を用いて、企業の業績や財務内容等から株価が割安な水準にあると判断される銘柄を選定して運用するスタイルである。2016.9-18-a
  4. 適切。ベア(Bear)は"熊"を指し、熊が前足を上から下に振り下ろして攻撃する仕草から「下落相場」を意味します。ベア型ファンドは、相場が下落したときにプラスとなるように設計されたファンドです。
    逆に相場が上昇したときにプラスとなるように設計されているものを「ブル型ファンド」と言います。ブル(Bull)とは"雄牛"を指し、雄牛が角を下から上へ突き上げて攻撃する仕草から「上昇相場」を意味します。
したがって不適切な記述は[1]です。