FP1級過去問題 2014年1月学科試験 問25(改題)
問25
2024年分の居住者に係る所得税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、記載された収入以外の収入は考慮しないこととし、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。- 総合課税の対象となる配当所得の金額が200万円、給与所得の金額が356万円、社会保険料控除の額が50万円、配偶者控除の額が38万円、基礎控除の額が48万円、配当控除の額が20万円である場合、課税総所得金額は420万円となる。
- 勤続年数が5年以下である一定の役員に支給される特定役員退職手当等に係る退職所得の金額は、その年中の退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額に相当する金額となる。
- 事業所得(総合課税の対象となるもの)の金額の計算上生じた損失の金額が60万円、総合課税の対象となる長期譲渡所得の金額が200万円である場合、総所得金額は70万円となる。
- 純損失の繰越控除および雑損失の繰越控除の額は、上場株式の譲渡に係る譲渡所得の金額から控除することはできない。
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正解 4
問題難易度
肢120.6%
肢213.7%
肢324.6%
肢441.1%
肢213.7%
肢324.6%
肢441.1%
分野
科目:D.タックスプランニング細目:2.所得税の仕組み
解説
- 適切。課税総所得金額は、総所得金額から所得控除の合計額を差し引いた額です。総所得金額は配当所得と給与所得を合わせた「200万円+356万円=556万円」、所得控除額は社会保険料控除、配偶者控除および基礎控除を合わせた「50万円+38万円+48万円=136万円」なので、課税総所得金額は「556万円-136万円=420万円」となります。配当控除は税額控除なので、所得からの控除はしません。
- 適切。勤続年数が5年以下の国家公務員や地方公務員、議員、法人の取締役、執行役などは退職所得上の特定役員等となり、これらの者が受け取る退職手当は、特定役員退職手当等として退職所得の金額を計算することになります。特定役員退職手当等には退職所得を計算するとき2分の1課税(最後の1/2)の適用がないので、退職所得額は、退職収入金額から退職所得控除額を控除した残額になります。
- 適切。長期譲渡所得から事業所得の損失を控除すると「200万円-60万円=140万円」、総合課税の長期譲渡所得はその金額の2分の1を総所得金額に算入するので、総所得金額は「140万円×1/2=70万円」となります。
- [不適切]。純損失の繰越控除の金額は、総所得金額、山林所得、退職所得の順に差し引きますがその他の所得から差し引くことはできません。一方、雑損失の繰越控除の金額は、上記に加えて上場株式等に係る配当所得、短期・長期譲渡所得(株式等に係る譲渡所得を含む)、先物取引に係る雑所得の金額からも差し引くことが可能です。
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