FP1級過去問題 2014年1月学科試験 問39

問39

建築基準法上の規制に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 建築物の敷地が異なる2つの用途地域にわたる場合、その敷地の全部について、過半の属する用途地域の用途制限が適用される。
  2. 建築物の敷地が建ぺい率の限度の異なる2つの用途地域にわたる場合、当該建築物の建ぺい率の限度は、各用途地域の建ぺい率の限度に各用途地域の面積の敷地面積に対する割合を乗じたものを合計した数値となる。
  3. 第一種低層住居専用地域内または第二種低層住居専用地域内の建築物のうち、軒の高さが5m以上で、かつ、地階を除く階数が2以上の建築物は、日影による建築物の高さの制限を受ける。
  4. 同一の敷地内に2以上の建築物がある場合においては、これらの建築物を一つの建築物とみなして、日影規制が適用される。

正解 3

問題難易度
肢18.2%
肢25.6%
肢377.3%
肢48.9%

解説

  1. 適切。建築物の敷地が2つの異なる用途地域にわたる場合、その建築物またはその敷地の全部について、敷地の過半の属する用途地域の建築物の用途に関する規定が適用されます(建築基準法91条)。
  2. 適切。建築物の敷地が建蔽率の異なる2つ以上の地域にわたる場合、その建蔽率の限度は、それぞれの地域の建蔽率を各面積割合で加重平均した値になります(建築基準法53条2項)。
    建築物の敷地が容積率の数値の異なる2つの地域にわたる場合、当該建築物の容積率は、各地域の容積率の限度に各部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じて得たものを合計した数値が上限となる。2016.9-36-2
    建築物の敷地が建ぺい率の数値の異なる2つの地域にわたる場合は、各地域の建ぺい率の限度に各部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じたものを合計した数値が、当該建築物の建ぺい率の限度となる。2016.1-36-2
  3. [不適切]。第一種/第二種低層住居専用地域または田園住居地域の建築物のうち、軒の高さが7mを超える建築物又は地階を除く階数が3以上の建築物には、日影規制の適用を受けます(建築基準法別表第四)。本肢は数値が間違っています。
    日影規制の対象区域である第一種低層住居専用地域においては、軒の高さが7mを超える建築物または地階を除く階数が3以上の建築物が高さの制限を受ける。2015.10-37-2
    第一種低層住居専用地域内の建築物のうち、軒の高さが7m超、または地階を除く階数が3以上の建築物は、日影による中高層の建築物の高さの制限を受ける。2014.9-38-3
  4. 適切。同一の敷地内に2以上の建築物がある場合においては、これらの建築物を一つの建築物とみなして、日影規制による高さの制限が適用されます(建築基準法56条の2第2項)。
    日影規制の対象区域内にある同一の敷地内に2以上の建築物がある場合においては、これらの建築物を1つの建築物とみなして日影規制が適用される。2019.1-36-1
    日影規制の対象区域内にある同一の敷地内に2以上の建築物がある場合においては、これらの建築物を1つの建築物とみなして日影規制が適用される。2015.10-37-3
    日影規制の対象区域外にある高さが10mを超える建築物で、冬至日において、対象区域内の土地に日影を生じさせるものは、当該対象区域内にある建築物とみなして日影規制が適用される。2015.10-37-4
したがって不適切な記述は[3]です。