FP1級過去問題 2014年9月学科試験 問3

問3

雇用保険の給付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、いずれの場合も、所定の手続はなされているものとし、各選択肢で記載のある事項以外は考慮しないものとする。
  1. 基本手当を受給しながら求職活動をしていたAさん(28歳)は、2022年4月1日に再就職したが、会社の業務になじめず、2023年8月末で自己都合退職した。この場合、Aさんは基本手当を受給することができない。
  2. Bさん(47歳)は、28年間勤務した会社が経営難から廃業に追い込まれ、2023年7月末で解雇された。この場合、特定受給資格者に該当するBさんが受給することができる基本手当の日数は、最大で180日である。
  3. Cさん(66歳)は、45年間勤務した会社を65歳到達月の末日で定年退職し、引き続き同じ会社で嘱託社員として1年間勤務した後、退職した。この場合、Cさんは、基本手当日額の50日分に相当する高年齢求職者給付金を受給することができる。
  4. Dさん(60歳)は、38年間勤務した会社を定年退職したが、引き続き同じ会社で嘱託社員として勤務している。Dさんの再雇用後の賃金額が、60歳到達時点に比べて85%未満となった場合、Dさんは高年齢雇用継続基本給付金を受給することができる。

正解 3

問題難易度
肢113.5%
肢217.8%
肢362.2%
肢46.5%

解説

  1. 不適切。Aさんは離職の日以前2年間に12カ月以上の被保険者期間があるので再就職先での受給資格を取得しています。このように基本手当の受給中に就職して、新たな受給資格を取得した後に退職した場合には、新たな受給資格に基づく基本手当を受給することができます。
    基本手当を受給しながら求職活動をしていたAさん(28歳)は、2023年6月1日に再就職し、再就職手当を受給した。しかし、再就職先の会社の業務になじめず、2023年11月30日に自己都合退職した。この場合、Aさんが2カ月間の給付制限経過後に受給することができる基本手当の日数は、最大で90日である。2022.1-4-1
    2022年4月1日に再就職し、再就職手当を受給したAさん(28歳)は、欠勤せずに働いていたが、2023年11月末に自己都合退職した。この場合、Aさんは、再就職手当を受給してから2年が経過していないため、基本手当を受給することはできない。2016.1-2-1
    基本手当を受給しながら求職活動をしていたBさん(32歳)は、2023年6月1日に再就職し、再就職手当を受給した。しかし、会社の業務になじめず、2023年11月30日に自己都合退職した。この場合、Bさんが待期期間に加え、3カ月間の給付制限経過後に受給することができる基本手当の日数は、最大で90日である。2015.1-2-2
  2. 不適切。会社理由による解雇で離職した人は特定受給資格者に該当します。Bさんは47歳、勤続年数は28年ですから所定給付日数は330日となります(雇用保険法23条1項2号イ)。
    Cさん(47歳)は、22年間勤務した会社が経営難から倒産し、2023年7月末に離職した。この場合、Cさんは特定受給資格者に該当するため、Cさんが受給することができる基本手当の日数は、最大で330日である。2016.1-2-3
  3. [適切]。65歳以上の人が退職した場合には基本手当ではなく、一時金の高年齢求職者給付金の支給となります。被保険者であった期間が1年以上の場合には、基本手当の50日分に相当する額が一高年齢求職者給付金として支給されます(雇用保険法37条の4)。
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  4. 不適切。高年齢雇用継続基本給付金は、60歳以降に支払われる各月の賃金が60歳到達日(または受給資格を満たした日)の賃金月額と比較して75%未満となっている場合に支給対象となります。85%未満ではありません(雇用保険法61条)。
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したがって適切な記述は[3]です。