FP1級過去問題 2014年9月学科試験 問33
問33
青色申告法人の欠損金の繰越控除等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。- 欠損金の繰越控除の適用を受けるためには、欠損金の生じた事業年度において青色申告書である確定申告書を提出し、その翌事業年度以後連続して確定申告書を提出する必要がある。
- 欠損金額の損金算入は、最も古い事業年度において生じた欠損金額に相当する金額から順次損金の額に算入する。
- 青色申告書である確定申告書を提出する資本金が1億円以下の一定の中小法人等は、各事業年度において生じた欠損金について、原則としてその事業年度開始の日前1年以内に開始した事業年度の所得に繰り戻し、その事業年度の所得に対する法人税額の全部または一部を還付請求することができる。
- 資本金が1億円以下の中小法人等は、2024年4月1日以後に開始する事業年度において、青色申告書を提出した事業年度に生じた欠損金額がある場合は、各事業年度の所得の金額の計算上、各事業年度の所得の金額の80%に相当する金額を限度として、その欠損金額が損金の額に算入される。
広告
正解 4
問題難易度
肢117.7%
肢24.5%
肢312.9%
肢464.9%
肢24.5%
肢312.9%
肢464.9%
分野
科目:D.タックスプランニング細目:10.法人税
解説
青色申告法人の欠損金の繰越控除に関する出題ポイントは下表のとおりです。
- 適切。本制度の適用を受けるためには、欠損金額が生じた事業年度に青色申告書である確定申告書を提出し、かつ、その後の各事業年度について連続して確定申告書を提出している必要があります。なお、翌年以降は青色申告である必要はなく、白色申告でも問題ありません。
- 適切。繰越欠損金が2以上の事業年度において生じている場合には、最も古い事業年度において生じたものから順次損金算入をします。たとえば2019年と2021年に赤字となっている場合、先に2019年分の欠損金額から損金に算入していくということです。
- 適切。資本金が1億円以下である等の要件を満たす法人は、前期・当期に連続して青色申告をしている等の要件を満たせば、当期に生じた欠損金額をその事業年度開始の日前1年以内に開始したいずれかの事業年度(≒前事業年度)に繰り戻して、法人税額の還付を受けることができます(欠損金の繰戻し)。
- [不適切]。80%が限度ではありません。繰越控除される欠損金額の限度は中小法人等とそれ以外で異なり、本肢のように資本金が1億円以下の中小法人等は、繰越控除前の所得金額、つまり100%まで欠損金額を損金に算入できます。これに対して、中小法人等以外の法人は、繰越控除前の所得金額の50%が損金算入の限度額となります。
広告