FP1級過去問題 2014年9月学科試験 問32(改題)

問32

「給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除(中小企業者等の特例)」(いわゆる中小企業向け賃上げ促進税制、以下「本制度」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 本制度は、青色申告法人が、国内継続雇用者に対する給与等の支給額を前事業年度と比較して一定割合以上増加させた場合、その他の要件を満たすことを条件に当該支給増加額の20%相当額を法人税額から控除することができる制度である。
  2. 本制度の適用を受けるためには、期末の雇用者数が前事業年度の雇用者数を超える必要があり、中小企業者等については2名以上増加していることが要件となる。
  3. 本制度の適用を受けるためには、2023年4月1日以後に開始する事業年度においては、基準事業年度と比較して、雇用者給与等支給額を3%以上増加させることが要件となる。
  4. 本制度の適用を受けるためには、雇用者全体に対する給与等支給額が、前事業年度と比較して1.5%以上増加していることが要件となる。

正解 4

問題難易度
肢116.0%
肢26.6%
肢311.9%
肢465.5%

解説

  1. 不適切。本制度では、雇用者給与等支給額が前年度比で1.5%以上増加した場合には給与総額の増加額の15%、2.5%以上増加で30%、さらに教育訓練費の額の前事業年度より10%増加すればさらに控除率が10%上乗せされ、税額控除を受けられる制度です。本制度における税額控除割合は15%・25%・30%・40%のいずれかなので、支給増加額の20%の税額控除が受けられる条件はありません。なお、本制度では法人税額または所得税額の20%が税額控除額の上限となります。
    大企業では、継続雇用者給与等支給額が前事業年度から3%増加した場合、控除対象雇用者給与等支給増加額の25%相当額を税額控除することができる。2023.5-31-1
    中小企業では、雇用者給与等支給額が前事業年度から2%増加した場合、控除対象雇用者給与等支給増加額の30%相当額を税額控除することができる。2023.5-31-2
  2. 不適切。本制度では、雇用者数の増加は要件となっていません。期末の雇用者数が前事業年度の雇用者数を超えることが適用要件となっているのは「雇用促進税制」です。
    本制度の適用を受けるためには、雇用者全体に対する給与等支給額が、前事業年度と比較して1.5%以上増加していることが要件となる。2014.9-32-4
  3. 不適切。2018年(平成30年)度の改正により、基準年度からの給与等支給額の増加割合の比較は廃止となりました。現行制度では単純に前年度と比べたときの給与増加割合で判断します。なお、従来の制度では基準年度(H24年度)と比較したとき、H27.3.31以前については2%、H27.4.1~H28.3.31までは3%、H28.4.1~H30.3.31までは5%の増加が求められていました。
    2023年4月1日以後に開始する事業年度において、賃上げ促進税制の適用を受けるためには、基準年度の給与総額と比べて、適用年度において一定割合増加していることが要件の1つとされている。2018.1-30-2
    2023年4月1日以後に開始する事業年度において、賃上げ促進税制の適用を受けるためには、雇用者給与等支給額が前事業年度の雇用者給与等支給額と比較して1.5%以上増加していなければならない。2018.1-30-3
    2023年4月1日以後に開始する事業年度において、賃上げ促進税制の適用を受けることによる税額控除額は、最大で雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額の20%相当額となる。2018.1-30-4
    2023年4月1日以後に開始する事業年度において賃上げ促進税制の適用を受けるためには、基準年度の給与総額と比べて、適用年度において一定割合増加していることが要件の1つとされている。2017.1-30-2
  4. [適切]。本制度の基本的要件として、雇用者給与等支給額が前事業年度と比較して1.5%以上増加していることが要件となっています。
    本制度の適用を受けるためには、期末の雇用者数が前事業年度の雇用者数を超える必要があり、中小企業者等については2名以上増加していることが要件となる。2014.9-32-2
したがって適切な記述は[4]です。
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