FP1級過去問題 2014年9月学科試験 問38

問38

建築基準法上の規制に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 建築基準法42条2項の規定により道路の境界線とみなされる線と道路との間のいわゆるセットバック部分は、建ぺい率、容積率の算定の際に敷地面積に算入されない。
  2. 建築物の高さに係る道路斜線制限は、すべての用途地域に対して適用される。
  3. 第一種低層住居専用地域内の建築物のうち、軒の高さが7m超、または地階を除く階数が3以上の建築物は、日影による中高層の建築物の高さの制限を受ける。
  4. 準工業地域(300㎡)と工業地域(150㎡)にまたがる敷地を一体利用する場合、当該敷地に居住用マンションやビジネスホテルを建築することはできない。

正解 4

問題難易度
肢15.0%
肢214.0%
肢325.1%
肢455.9%

解説

  1. 適切。セットバックで後退した部分は道路とみなされますので、建蔽率や容積率算定の際の敷地面積に含めることはできません(建築基準法令2条1項1号)。
    建築基準法第42条2項の規定により道路の境界線とみなされる線と道路との間のいわゆるセットバック部分については、建物を建築することができないが、容積率の算定の基礎となる敷地面積に含めて計算することができる。2016.9-36-3
    建築基準法42条2項の規定により道路の境界線とみなされる線と道路との間のいわゆるセットバック部分については、建物を建築することができないが、建ぺい率、容積率の算定の際の敷地面積に含めて計算することができる。2015.1-38-3
  2. 適切。道路斜線制限は、全ての用途地域および用途地域の指定がない地域の建築物に対して適用されます(建築基準法56条1項1号)。
    38_1.png./image-size:549×255
    道路斜線制限は、すべての用途地域内における一定の建築物に適用される。2022.5-38-2
  3. 適切。第一種/第二種低層住居専用地域または田園住居地域の建築物のうち、軒の高さが7mを超える建築物又は地階を除く階数が3以上の建築物には、日影規制の適用を受けます(建築基準法別表第四)。
    日影規制の対象区域である第一種低層住居専用地域においては、軒の高さが7mを超える建築物または地階を除く階数が3以上の建築物が高さの制限を受ける。2015.10-37-2
    第一種低層住居専用地域内または第二種低層住居専用地域内の建築物のうち、軒の高さが5m以上で、かつ、地階を除く階数が2以上の建築物は、日影による建築物の高さの制限を受ける。2014.1-39-3
  4. [不適切]。建築物の敷地が2つの異なる用途地域にわたる場合、その建築物またはその敷地の全部について、敷地の過半の属する用途地域の建築物の用途に関する規定が適用されます(建築基準法91条)。本肢の場合、準工業地域の用途規制が適用されるので、居住用マンションやビジネスホテルを建築することは可能です。もし、工業地域の用途規制が適用されるとするとビジネスホテルの建築ができないことになります。
    38_2.png./image-size:506×165
したがって不適切な記述は[4]です。