FP1級過去問題 2015年1月学科試験 問16

問16

株式投資信託の運用スタイル等に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。
  1. スマートベータ運用は、時価総額の大きい銘柄を選定して運用するスタイルであり、リターンがTOPIX等の市場平均を上回る傾向があるとされる。
  2. ロング・ショート運用は、一般に、株価が割安と判断される銘柄のロング・ポジションを取り、同時に株価が割高と判断される銘柄のショート・ポジションを取る運用手法である。
  3. ブル型ファンドは、相場の下落に対してベンチマークとされる指標の変動率の2倍、3倍等のプラスの収益率を目指すファンドである。
  1. 1つ
  2. 2つ
  3. 3つ
  4. 0(なし)

正解 1

問題難易度
肢162.6%
肢228.3%
肢34.2%
肢44.9%

解説

  1. 不適切。スマートベータ運用は、TOPIX(浮動株・時価総額加重平均)以外のより優れた方法で新しい指数を作って、その指数に連動する運用を行うことでTOPIXなどの市場平均を上回るリターンを得ようとする運用方法です。インデックス投資では、市場全体に連動するように時価総額の大きい銘柄により多く投資する傾向がありますが、スマートベータ運用は財務指標等の定量的なルールに基づいて銘柄の選択を行います。よって、本肢の「時価総額の大きい銘柄を選定して運用する」という点が誤りです。
    スマートベータ運用は、時価総額の大きい銘柄を選定して運用するスタイルであり、一般に、リターンがTOPIX等の市場平均を上回る傾向があるとされる。2016.9-18-b
  2. 適切。ロング・ショート運用とは、割安とみられる銘柄を買い建て(ロング)、その一方で割高と判断される銘柄を売り建てる(ショート)ことで、市場全体が値上がりした時も値下がりしたときのどちらでも一定の運用利益を出す運用方法です。
    ロング・ショート運用は、一般に、株価が割安と判断される銘柄のロング・ポジションを取り、同時に株価が割高と判断される銘柄のショート・ポジションを取る運用手法である。2016.9-18-c
  3. 不適切。ブル(Bull)とは"雄牛"を指し、雄牛が角を下から上へ突き上げて攻撃する仕草から「上昇相場」を意味します。ブル型ファンドは、相場が上昇したときに利益が出るように設計されたファンドです。
    逆に相場が下落したときに利益が出るように設計されているものを「ベア型ファンド」と言います。ベア(Bear)は"熊"を指し、熊が前足を上から下に振り下ろして攻撃する仕草から「下落相場」を意味します。
したがって適切なものは「1つ」です。