FP1級過去問題 2016年9月学科試験 問18

問18

株式投資信託の運用スタイル等に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。
  1. グロース運用は、一般に、PERやPBRなどの指標を用いて、企業の業績や財務内容等から株価が割安な水準にあると判断される銘柄を選定して運用するスタイルである。
  2. スマートベータ運用は、時価総額の大きい銘柄を選定して運用するスタイルであり、一般に、リターンがTOPIX等の市場平均を上回る傾向があるとされる。
  3. ロング・ショート運用は、一般に、株価が割安と判断される銘柄のロング・ポジションを取り、同時に株価が割高と判断される銘柄のショート・ポジションを取る運用手法である。
  1. 1つ
  2. 2つ
  3. 3つ
  4. 0(なし)

正解 1

問題難易度
肢164.8%
肢226.0%
肢34.8%
肢44.4%

解説

  1. 不適切。グロース運用とは、今後の成長性を評価して投資する企業の成長性が市場平均よりも高いと期待される銘柄に投資する手法です。PERやPBRの数値を選定基準にするのはバリュー投資です。
    バリュー投資は、PER・PBR等が低い銘柄、配当利回りが高い銘柄など、企業の業績や財務内容等から株価が割安と判断される銘柄を選定して買い付ける手法である。2021.9-17-3
    PERやPBRなどの指標を用いて、企業の業績や財務内容等から株価が割安と判断される銘柄を選定して運用する手法は、一般に、グロース運用という。2018.9-17-1
    バリュー投資は、企業価値や業績が株価に適正に反映されず、相対的に株価が割安であると判断される銘柄に投資する手法である。2014.1-17-3
  2. 不適切。スマートベータ運用は、TOPIX(浮動株・時価総額加重平均)以外のより優れた方法で新しい指数を作って、その指数に連動する運用を行うことでTOPIXなどの市場平均を上回るリターンを得ようとする運用方法です。インデックス投資では、市場全体に連動するように時価総額の大きい銘柄により多く投資する傾向がありますが、スマートベータ運用は財務指標等の定量的なルールに基づいて銘柄の選択を行います。よって、本肢の「時価総額の大きい銘柄を選定して運用する」という点が誤りです。
    スマートベータ運用は、時価総額の大きい銘柄を選定して運用するスタイルであり、リターンがTOPIX等の市場平均を上回る傾向があるとされる。2015.1-16-a
  3. 適切。ロング・ショート運用とは、割安とみられる銘柄を買い建て(ロング)、その一方で割高と判断される銘柄を売り建てる(ショート)ことで、市場全体が値上がりした時も値下がりしたときのどちらでも一定の運用利益を出す運用方法です。
    ロング・ショート運用は、一般に、株価が割安と判断される銘柄のロング・ポジションを取り、同時に株価が割高と判断される銘柄のショート・ポジションを取る運用手法である。2015.1-16-b
したがって適切なものは「1つ」です。