FP1級過去問題 2015年1月学科試験 問50

問50

「医療法人の持分についての相続税の納税猶予および免除の特例」(以下、「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
  1. 相続人が経過措置医療法人の持分を相続により取得した場合において、当該医療法人が相続税の申告書の提出期限において認定医療法人であるときは、本特例の対象となる持分に係る相続税額の納税が猶予される。
  2. 本特例の適用を受けた持分に係る相続税額は、認定移行計画に記載された移行期限まで納税が猶予される。
  3. 本特例の適用を受けるためには、相続税の申告書を提出期限までに提出するとともに、納税が猶予される相続税額に相当する担保を提供しなければならない。
  4. 本特例は、2015年10月1日以後の相続または遺贈に係る相続税について適用が開始される。

正解 4

問題難易度
肢113.8%
肢217.0%
肢340.2%
肢429.0%

解説

  1. 適切。医療法人が相続税の申告期限において認定医療法人の場合は、納付すべき相続税のうち、本特例の適用を受ける持分の価額に対応する相続税については、一定の要件を満たすことにより、認定移行計画に記載された移行期限まで納税が猶予されます。
  2. 適切。本特例の適用を受ける持分の価額に対応する相続税については、一定の要件を満たすことにより、認定移行計画に記載された移行期限(認定の日から3年以内)まで納税が猶予されます。
    認定移行計画とは「持分あり医療法人」から「持分なし医療法人」への移行計画を国が認定する制度を設け、贈与税・相続税猶予等の税制措置を行うものです。第5次医療法改正により、持分のない医療法人が原則的な医療法人として定められたことによる移行を促進するための仕組みです。
  3. 適切。医療法人持分の相続税の納税猶予・免除特例の特例を受けるには、相続税の申告書を提出期限までに提出し、納税が猶予される相続税額及び利子税の額相当の担保を提供しなければなりません。
  4. [不適切]。本特例が導入されたのは2014年10月からであり、2014年10月1日以後の相続または遺贈により取得する経過措置医療法人の持分に係る相続税について適用されます。
したがって不適切な記述は[4]です。