FP1級過去問題 2016年9月学科試験 問8

問8

中小企業倒産防止共済制度(経営セーフティ共済)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 中小企業倒産防止共済制度は、中小企業者の取引先事業者が倒産した場合に、自らが連鎖倒産や著しい経営難に陥るなどの事態を防止するための共済制度であり、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営している。
  2. 掛金月額は、5,000円から20万円までの範囲で5,000円刻みで選択することができ、掛金総額が800万円に達するまで積み立てることができる。
  3. 共済契約者の取引先事業者が倒産し、売掛金債権や前渡金返還請求権の回収が困難となった場合、所定の要件を満たせば、積み立てた掛金総額の10倍相当額または回収困難となった当該被害額のいずれか少ない額の範囲内で貸付けを受けることができる。
  4. 共済契約者はいつでも共済契約を解約することができ、共済契約が解約された時点において掛金納付月数が40カ月以上である場合、解約手当金の額が掛金総額を上回る。

正解 4

問題難易度
肢12.8%
肢211.2%
肢312.9%
肢473.1%

解説

  1. 適切。中小企業倒産防止共済制度(経営セーフティ共済)は、掛金を積み立てて置き、取引先が倒産等をした場合に「回収困難となった売掛金債権等の額」または「掛金総額の10倍」のいずれか少ない方を限度として無担保・無保証人・無利子で借り入れることができる制度です。中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営しています。なお、小規模企業共済の運営も同じ中小機構、中退共の運営は勤労者退職金共済機構です。
  2. 適切。中小企業倒産防止共済の掛金は、月々5,000円から20万円の間で任意に選択可能です。掛金を損金または必要経費に算入しながら、掛金総額が800万円になるまで積み立てることができます。
    掛金月額は、1,000円から70,000円の範囲内で、500円単位で選択することができ、加入後、共済契約者は掛金を増額または減額することができる。2022.1-6-1
    毎月の掛金は、1,000円から70,000円の範囲内で、500円単位で選択することができ、払込方法は月払いのほか、半年払い、年払いを選択することもできる。2015.1-6-2
  3. 適切。中小企業倒産防止共済を掛けておくと取引先が倒産等した際に、「回収困難となった売掛金債権等の額」または「掛金総額の10倍」のいずれか少ない方を限度として無担保・無保証人・無利子で借り入れることができます。
  4. [不適切]。中小企業倒産防止共済制度はいつでも自由に解約することができます。解約手当金の額と掛金総額の関係は以下の通りです。
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    解約手当金は最大でも「掛金総額×100%」なので、いくら掛金納付月数が長くても解約手当金の額が掛金総額を上回ることはありません。
したがって不適切な記述は[4]です。