FP1級過去問題 2017年1月学科試験 問40(改題)
問40
「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」(以下、「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。- 本特例における被相続人居住用家屋とは、相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供され、かつ、1981年(昭和56年)6月1日以後に建築されたものであって、当該相続の開始の直前において当該被相続人以外に居住をしていた者がいなかったものである。
- 2024年10月1日に相続が開始し、被相続人居住用家屋およびその敷地等を相続により取得した者は、2027年9月30日までに当該家屋およびその敷地等を譲渡しなければ、本特例の適用を受けることができない。
- 相続により取得した被相続人居住用家屋が現行の耐震基準を満たしていない場合、耐震基準を満たすように耐震リフォームした後に譲渡するか、当該家屋を取り壊して当該家屋の敷地等を譲渡すれば、本特例の適用を受けることができる。
- 相続により取得した被相続人居住用家屋およびその敷地等を譲渡した者が当該相続に係る相続税を納付している場合、本特例と「相続財産に係る譲渡所得の課税の特例」(相続税の取得費加算の特例)の適用を重複して受けることができる。
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正解 3
問題難易度
肢110.3%
肢28.8%
肢364.2%
肢416.7%
肢28.8%
肢364.2%
肢416.7%
分野
科目:E.不動産細目:5.不動産の譲渡に係る税金
解説
「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例(以下、本特例)」とは、相続や遺贈によって取得した被相続人の居住用財産であり、その後、空き家になっていたものを一定期間内に譲渡した場合に、その譲渡所得の金額から3,000万円を控除できる特例です。なお、家屋・敷地を相続した者が3人以上いるときの控除額は最高2,000万円となります。
本特例の対象となる「被相続人居住用家屋」とは、相続の開始の直前において被相続人の居住用となっていた家屋で、次の3つの要件全てに当てはまるものをいいます。
本特例の適用を受けるためにはいくつかの要件があります(一部を抜粋)。
本特例の対象となる「被相続人居住用家屋」とは、相続の開始の直前において被相続人の居住用となっていた家屋で、次の3つの要件全てに当てはまるものをいいます。
- 1981年(昭和56年)5月31日以前に建築されたこと(旧耐震基準)
- 区分所有登記がされている建物でないこと
- 相続開始の直前において被相続人以外に居住者がいなかったこと
本特例の適用を受けるためにはいくつかの要件があります(一部を抜粋)。
- 売った人が、相続・遺贈により対象となる家屋及び敷地を取得したこと
- 新耐震基準に適合させた家屋を売るか、同家屋と敷地等をセットで売る、または、家屋の全部の取壊し等をした後に敷地等を売ること
- 相続開始から3年目の年の12月31日までに売ること
- 売却代金が1億円以下であること
- 親子や夫婦など特別の関係がある人に対して売ったものでないこと
- 不適切。本特例の対象となる被相続人居住用家屋は、旧耐震基準となる1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家屋です。
- 不適切。相続開始から3年目の年の12月31日までに売れば本特例の適用を受けられます。本肢は2024年中に相続が開始しているので、譲渡期限は2027年12月31日です。
- [適切]。本特例の適用を受けるためには、旧耐震基準の家屋を新耐震基準に適合させてから売るか、家屋を取り壊してから敷地等を売る必要があります。
- 不適切。本特例は、相続財産を譲渡した場合の取得費の特例や収用等の場合の特別控除との併用ができません。
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