FP1級過去問題 2017年1月学科試験 問46

問46

次の各ケースのうち、相続人が相続税の申告をしなければならないものはいくつあるか。なお、各ケースにおいて、被相続人は2024年中に死亡したものとし、相続人は相続または遺贈により財産を取得したものとする。また、記載のない事項については考慮しないものとする。
  1. 相続税の課税価格の合計額が遺産に係る基礎控除額を下回っているが、相続人が被相続人から生前に贈与を受け、相続時精算課税の適用を受けていた場合
  2. 「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用を受けることにより、相続税の課税価格の合計額が遺産に係る基礎控除額を下回る場合
  3. 相続人が被相続人の配偶者のみであり、配偶者が「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けることにより納付すべき相続税額がゼロとなる場合
  4. 相続人が被相続人の子のみであり、子が未成年者控除の適用を受けることにより納付すべき相続税額がゼロとなる場合
  1. 1つ
  2. 2つ
  3. 3つ
  4. 4つ

正解 2

問題難易度
肢18.8%
肢266.3%
肢320.6%
肢44.3%

解説

  1. 申告は不要。相続時精算課税を適用して贈与を受けた財産は、贈与時の価額から基礎控除額を控除した残額を相続税の課税価格に加算します。相続時精算課税の適用を受けていても、加算した後の相続税の課税価格の合計額が遺産に係る基礎控除額以下であれば、相続税の申告は不要となります。
  2. 申告が必要。「小規模宅地の評価減の特例」の適用を受けることにより、算出される相続税額がゼロ(0円)になる場合には、相続税の申告が必要です。
  3. 申告が必要。「配偶者の相続税額の軽減」の適用を受けることにより、算出される相続税額がゼロ(0円)になる場合には、相続税の申告が必要です。
  4. 申告は不要。相続税の課税価格が遺産に係る基礎控除額を超えても、各種の税額控除額を差し引いて納付税額がゼロ(0円)になった場合には、申告不要です。
したがって相続税の申告をしなければならないものは「2つ」です。