FP1級過去問題 2018年1月学科試験 問11

問11

会社員のAさんが2023年中に払い込んだ生命保険の保険料が下記のとおりである場合、Aさんの2023年分の所得税の計算における生命保険料控除の最大控除額として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、いずれの保険契約についても、契約締結後に契約内容の変更等は行われていないものとし、個人年金保険料税制適格特約以外の特約および配当はないものとする。
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  1. 8万円
  2. 9万円
  3. 10万円
  4. 12万円

正解 2

問題難易度
肢113.1%
肢272.4%
肢37.6%
肢46.9%

解説

生命保険料控除は、2012年(平成24年)1月1日を境に新制度と旧制度に区分され、それぞれ異なる方法で計算します。新制度と旧制度の生命保険料が混在する場合の限度額は以下のようになっています。
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旧制度では各区分の年間保険料が10万円以上で限度額の5万円、新制度では各区分の年間保険料が8万円以上で限度額の4万円の控除となります。

本問の契約状況を見ると、左側の個人年金保険が旧制度の契約、終身保険と右側の個人年金保険が新制度の契約とわかります。終身保険は一般生命保険料控除、個人年金保険は個人年金保険料控除の対象となります。

[一般生命保険料控除]
終身保険は新制度の契約ですので、8万円以上の支払保険料は一律4万円の控除となります。

[個人年金保険料]
  • 旧制度の個人年金保険だけを対象とすると、支払保険料10万円以上なので控除額は5万円
  • 新制度の個人年金保険だけを対象とすると、支払保険料8万円以上なので控除額は4万円
  • 新旧合算すると、支払保険料8万円以上なので控除額は4万円
上記3つを比較して、控除額が最大となる旧制度の個人年金保険だけでの申告を選択することになります。

よって、生命保険料控除の最大控除額は、

 4万円+5万円=9万円

したがって[2]が正解です。