FP1級過去問題 2018年1月学科試験 問10

問10

保険法に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。
  1. 保険法は、保険契約と同等の内容を有する共済契約についても適用対象となる。
  2. 保険契約者または被保険者になる者は、生命保険契約の締結に際し、保険事故の発生の可能性に関する重要な事項について、自発的に判断して保険者に対して申告しなければならないとされている。
  3. 保険金受取人が保険金を請求する権利および保険契約者が保険料の返還を請求する権利は、時効により5年で消滅するとされている。
  4. 保険金受取人は、保険契約者と信頼関係が損なわれるような重大な事由が生じた場合や親族関係が終了した場合に、保険契約者に対し、その保険契約を解除することを請求することができるとされている。
  1. 1つ
  2. 2つ
  3. 3つ
  4. 0(なし)

正解 1

問題難易度
肢141.2%
肢239.9%
肢314.3%
肢44.6%

解説

  1. 適切。保険法による保険契約の定義には共済契約が含まれているので、保険法は共済契約にも適用されます(保険法2条1項)。
  2. 不適切。保険法の告知義務は、保険事故の発生可能性に関する重要な事項のうち保険者が告知を求めたものに対して、事実を告知する義務です(保険法4条ほか)。2010年(平成22年)の保険法改正以前は本肢のような「自発的申告義務」でしたが、改正後は現在の「質問応答義務」に変更されています。
    保険契約者または被保険者になる者は、生命保険契約の締結に際し、保険事故の発生の可能性に関する重要な事項について、自発的に判断して保険者に対して申告しなければならないとされている。2024.9-9-1
    生命保険の契約者または被保険者となる者は、保険事故発生の可能性等に関する重要な事項のうち、生命保険募集人が告知を求めたものについて、生命保険募集人に対して口頭で告知をすることができる。2024.5-10-2
    保険契約者または被保険者になる者は、生命保険契約の締結に際し、保険事故の発生の可能性に関する重要な事項のうち保険者になる者が告知を求めたものについて、事実の告知をしなければならないとされている。2017.1-9-1
  3. 不適切。保険金を請求する権利、保険料の返還を請求する権利、保険料積立金の払戻しを請求する権利は、権利を行使できるときから3年で時効消滅します(保険法95条)。
    保険契約者、被保険者または保険金受取人が有する保険給付請求権や保険料返還請求権は、生命保険、損害保険の別を問わず、3年間行わないときは、時効によって消滅する。2019.9-10-4
    保険金受取人が保険金を請求する権利および保険契約者が保険料の返還を請求する権利は、時効により2年で消滅するとされている。2017.1-9-2
    保険法によれば、保険金受取人が保険金を請求する権利または保険契約者が保険料の返還を請求する権利は、時効により2年で消滅する。2015.10-9-4
  4. 不適切。被保険者は、保険契約者または保険金受取人に対する信頼関係を損ない、保険契約の存続を困難とする重大な事由がある場合や、保険契約者との間の親族関係の終了した場合などは、保険契約者に対し、当該保険契約を解除することを請求できます(保険法58条)。しかし、保険金受取人にはこのような解除権は認められていません。
    生命保険契約において、保険金受取人は、保険契約者との信頼関係が損なわれるような重大な事由が生じた場合や親族関係が終了した場合に、保険契約者に対し、その保険契約を解除することを請求することができるとされている。2024.9-9-2
したがって適切なものは「1つ」です。