FP1級過去問題 2018年1月学科試験 問13

問13

任意の自動車保険(保険期間1年)のノンフリート等級別割引・割増制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
  1. ノンフリート等級別割引・割増制度は、自動車保険における契約者間の保険料負担の公平性を確保するため、契約者を1等級から25等級に区分し、等級ごとに保険料の割引・割増を行う制度である。
  2. 12等級の契約者が自動車を走行中に飛び石でフロントガラスにひびが入り、車両保険金のみが支払われた場合、当該事故は「ノーカウント事故」であり、更新後の等級は13等級となる。
  3. 前年に初めて自動車保険を契約して更新後の等級が7等級になった契約者と、前年に「1等級ダウン事故」を起こして更新後の等級が7等級になった契約者は、等級が同じであるため、それぞれの保険料に適用される割引率は同じである。
  4. 被保険自動車の廃車に伴って自動車保険契約を解約する場合、所定の中断証明書の発行を受けることにより、保険会社を問わず、当該証明書の有効期間内に新たに契約する自動車保険に中断前の等級を引き継ぐことができる。

正解 4

問題難易度
肢14.7%
肢29.1%
肢39.5%
肢476.7%

解説

任意自動車保険のノンフリート等級別割引・割増制度は、契約者の前契約の有無や事故歴に応じて1等級から20等級(一部の共済では上限22等級)に区分し、等級ごとに保険料の割増・割引を行う制度です。等級の数字が大きいほど大きな割引を受けられる仕組みになっています。

新規加入時は6等級からスタートし、1年間無事故ならば7等級にアップするというように、1年で1等級ずつ上がっていきます。ただし、事故を起こして保険を使った場合には原則として3等級ダウンします(10等級で事故を起こすと次回更新時は7等級)。

また、保険を使っても例外的に1等級下がるだけで済む「1等級ダウン事故」、等級に影響しない「ノーカウント事故」があります。
1等級ダウン事故
火災・爆発や台風・洪水といった自然災害や、盗難・落書き・いたずら・飛び石との衝突などの偶然な事故によって、車両保険等を使用した事故
※保険始期日が2012年9月30日以前の場合「等級すえおき事故」として扱われる
ノーカウント事故
人身傷害保険、搭乗者傷害保険、個人賠償特約、ファミリーバイク特約等からのみ保険金が支払われた事故
  1. 不適切。等級の上限は20等級(一部の共済では22等級)です。
  2. 不適切。飛び石+車両保険は「1等級ダウン事故」に該当します。事故時の等級が12等級だったので、翌年の契約では1等級下がって11等級となります。
  3. 不適切。直近の事故歴がある人の保険料を割高にする「事故有係数」という仕組みがあります。同じ等級でも"事故あり"でその等級になった場合、事故有係数が適用されるため、"事故なし"でその等級になった人よりも保険料が高くなります。事故有係数は3等級ダウン事故であれば3年間、1等級ダウン事故であれば1年間適用されます。
  4. [適切]。車を売ったり廃車にしたりして自動車保険を更新しない場合、保険会社に中断証明書の発行を依頼できます。中断証明書の有効期限内(一般的には10年)に新たに自動車保険を契約することになった際には、その中断証明書を提出することで中断前の等級を引き継ぐことが可能です。
したがって適切な記述は[4]です。
ノンフリート契約
自らが所有・使用し、契約対象とする自動車の総付保台数が9台以下の契約
保険料は自動車1台ごとの等級で決まる
フリート契約
自らが所有・使用し、契約対象とする自動車の総付保台数が10台以上の契約
保険料は総契約台数や契約者単位の等級で決まる