FP1級過去問題 2018年1月学科試験 問22(改題)

問22

2024年以降の特定非課税累積投資契約に係る少額投資非課税制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、特定非課税累積投資契約に係る少額投資非課税制度を「NISA」といい、当該契約に基づき設定される特定累積投資勘定を「つみたて投資枠」という。
  1. つみたて投資枠を通じて購入することができる金融商品は、所定の要件を満たす公募株式投資信託、ETF(上場投資信託)およびJ-REIT(不動産投資信託)であり、上場株式や国債などは対象とならない。
  2. つみたて投資枠を通じて購入することができる限度額(非課税枠)は、1人当たり年間120万円かつ非課税保有限度額(生涯総枠)は1,800万円であり、その購入方法は累積投資契約に基づく定期かつ継続的な買付けに限られる。
  3. つみたて投資枠における非課税期間は、当該つみたて投資枠が設けられた日の属する年の1月1日から最長で20年間であるが、非課税期間終了後、翌年の利用限度額(非課税枠)を利用してつみたて投資枠での保有を継続することができる。
  4. つみたて投資枠において生じた譲渡損失は、確定申告を行うことにより、同一年中に生じた特定口座や一般口座で保有する他の上場株式等の配当金や譲渡益等と損益通算することができるが、当該譲渡損失を翌年以降に繰り越すことはできない。

正解 2

問題難易度
肢110.5%
肢273.6%
肢310.6%
肢45.3%

解説

  1. 不適切。ETFは投資対象に含まれます。つみたて投資枠の対象商品は、手数料が安い・分配金の支払いが頻繁ではない などの一定の水準を満たす、長期積立投資に適した公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)です。REITは、特定の指数(東証REIT指数)に連動する商品がバランス型の組成の1つとしてのみ認められているに留まり、J-REIT単体を投資対象とすることはできません。
    つみたて投資枠を通じて購入することができる金融商品は、一定の要件を満たすインデックス型の公募株式投資信託およびETF(上場投資信託)に限られ、上場株式、国債、社債などをつみたてNISA勘定に受け入れることはできない。2021.9-23-1
    つみたて投資枠を通じて購入することができる金融商品は、所定の要件を満たす公募株式投資信託およびETF(上場投資信託)に限られ、上場株式やJ-REIT(上場不動産投資信託)、国債、社債などは対象とならない。2021.1-23-1
    つみたて投資枠の受入れ対象となる金融商品には、国内外の公募株式投資信託および上場株式投資信託(ETF)があるが、国債や公社債投資信託は対象ではない。2014.1-21-2
  2. [適切]。つみたて投資枠で購入できる限度額(非課税枠)は、1人当たり年間120万円かつ生涯を通じて1,800万円までの保有です。つみたて投資枠に買付け方法は、累積投資契約に基づく定期かつ継続的な買付けに限られます。"累積投資契約に基づく定期かつ継続的な買付け"とは、対象銘柄を指定した上で、「1か月に1回」など定期的に一定金額の買付けを続けることです。
  3. 不適切。2024年以降のNISAでは成長投資枠・つみたて投資枠とともに、非課税期間が恒久化(無期限化)されました。このため、ロールオーバーなど非課税期間の終了時の移管について考えることはなくなりました。なお、2023年以前のNISA制度では、一般NISAとジュニアNISAのみがロールオーバー可能で、つみたてNISAではロールオーバーが認められていませんでした。
  4. 不適切。NISA口座内で生じた譲渡損失は「なかったもの」とされ、課税口座(特定口座や一般口座)で保有する他の金融商品の配当金や譲渡益等と損益通算することはできません。また、発生した損失を繰越控除することはできません。これは成長投資枠でも同じです。
したがって適切な記述は[2]です。