FP1級過去問題 2018年1月学科試験 問24

問24

金融商品取引法に規定されるインサイダー取引規制に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。
  1. 上場会社の職員が退職し、会社関係者でなくなったとしても、会社関係者でなくなってから1年以内の者は、会社関係者と同様にインサイダー取引規制の対象とされる。
  2. インサイダー取引規制の対象となる行為は、上場株式等の売買その他有償の譲渡もしくは譲受けなどであり、無償で行われる贈与や相続による上場株式の取得はインサイダー取引規制の対象とはならない。
  3. 上場会社の職員が、ストックオプションとして付与された新株予約権を行使して当該上場会社の株式を取得することや、その取得後に当該株式を売却することは、原則として、インサイダー取引規制の適用除外とされている。
  4. 上場会社の未公表の重要事実を知って当該上場会社の株式を買い付け、公表後に売却したものの、利益が数万円程度の少額である場合や損失が生じた場合には、インサイダー取引規制違反となることはない。
  1. 1つ
  2. 2つ
  3. 3つ
  4. 0(なし)

正解 2

問題難易度
肢127.8%
肢254.9%
肢314.8%
肢42.5%

解説

  1. 適切。退職等によって会社関係者でなくなったとしても、会社関係者でなくなってから1年間はインサイダー取引規制の対象となります。
  2. 適切。インサイダー取引規制は、自己の意思による上場株式等の売買その他有償の譲渡などが対象となるため、贈与や相続による株式等の取得はインサイダー取引規制の対象とはなりません。
  3. 不適切。ストックオプションとして付与された新株予約権を行使して株式を取得することは、インサイダー取引規制の適用除外に該当します(金商法166条6項2号)が、取得後、当該方法によって取得した株式を売却することは、原則として、インサイダー取引規制の適用対象となります。
  4. 不適切。株価に重要な影響を与える重要事実を知って公表前にその株式を売買する行為を規制しているため、買った時点で違法行為となり得ます。売却後の利益の多寡は無関係です。
したがって適切なものは「2つ」です。