FP1級過去問題 2018年1月学科試験 問48

問48

Aさんは、父親から建物の敷地となっている下記のX土地、Y土地、Z土地(借地権)を相続により取得した。X土地、Y土地、Z土地(借地権)の相続税評価額の合計額として、次のうち最も適切なものはどれか。
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  1. 5,600万円
  2. 6,000万円
  3. 6,500万円
  4. 8,100万円

正解 3

問題難易度
肢18.4%
肢214.2%
肢359.8%
肢417.6%

解説

【X土地】
個人間の土地の貸し借りで借賃のやり取りがある場合でも、権利金の授受がなく、その借賃が借り受ける土地の固定資産税等相当額以下にすぎないときは使用貸借に該当します。
使用貸借では借りている側の使用権の価額が0円なので、土地上の建物が自宅であるか賃貸用建物であるかにかかわらず、原則として自用地価額そのままで評価します。よって、X土地の相続税評価額は2,500万円です。

【Y土地】
少なくとも一方が法人である土地の賃貸借では、「土地の無償返還に関する届出書」を提出し、通常の地代を支払うことで、権利金の認定課税を避けることができます。「土地の無償返還に関する届出書」が提出されている場合、その土地の相続税評価は、貸主・借主側で以下のように計算します。
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Aさんの父親は「土地の無償返還に関する届出書」+通常の地代でB株式会社にY土地を貸していたので、相続税評価額は「自用地価額×80%」となります。

 5,000万円×80%=4,000万円

よって、Y土地の相続税評価額は4,000万円です。

【Z土地】
Y土地と同じく「土地の無償返還に関する届出書」が提出されていますが、こちらはAさんの父親が借主側です。この場合、借地権の相続税評価額は0円となります。

【相続税評価額の合計額】
3つの土地の評価額を合計して、

 2,500万円+4,000万円+0万円=6,500万円

したがって[3]が正解です。