FP1級過去問題 2019年1月学科試験 問32

問32

法人税における貸倒損失の取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
  1. 取引先A社に対して貸付金200万円を有しているが、A社の債務超過の状態が相当期間継続し、事業好転の見通しもなく、その貸付金の弁済を受けることができないと認められるため、内容証明郵便により貸付金の全額を免除する旨をA社に通知した。この場合、債務免除をした金額の全額が貸倒損失として認められる。
  2. 遠方にある取引先B社に対して売掛金5万円を有しているが、再三支払の督促をしても弁済がなされず、また取立てに要する旅費等が10万円程度かかると見込まれ、同一地域に他の債務者はいない。この場合、売掛金5万円の全額が貸倒損失として認められる。
  3. 継続的な取引を行っていた取引先C社に対して貸付金400万円を有しているが、C社の資産状況、支払能力等が悪化したためにC社との取引を停止し、貸付金の回収ができないまま取引を停止してから1年以上が経過した。この場合、貸付金400万円から備忘価額を控除した残額が貸倒損失として認められる。
  4. 取引先D社に対して貸付金600万円を有しているが、D社の資産状況、支払能力等からその全額が回収できないことが明らかとなった。この貸付金に係る担保物がある場合、貸付金600万円から担保物の処分可能見込額を控除した残額が貸倒損失として認められる。

正解 1

解説

  1. [適切]。債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その貸付金の弁済を受けることができないと認められた場合には、債務者に対して書面で債務免除の旨を通知した金額が貸倒損失として認められます。
  2. 不適切。遠隔地の取引先の売掛金の合計金額よりも取り立てに要する費用が上回る場合、その売掛金は、通常1円の備忘価額を差し引いた残額が貸倒損失として認められます。
  3. 不適切。一定期間取引停止後弁済がない場合等については、債務者との取引の停止をした時から1年経過後、売掛金などの売上債権・未収請負金について備忘価額を控除した残額が貸倒損失として認められます。ただし、一定期間取引停止後弁済がない場合等の貸倒れについては、貸付金は対象外とされています。
  4. 不適切。貸金等につき、債務者の資産状況、支払能力等からその全額が回収できないことが明らかになったときで、その貸付金に係る担保物がある場合、その担保物の処分した後の残額が貸倒損失として認められます。
したがって適切な記述は[1]です。