FP1級 2019年1月 応用編 問55

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】
 Aさん(40歳)は、将来に向けた資産形成のため、上場株式と投資信託への投資を行うことを検討しており、X社株式およびYファンド・Zファンドに興味を持っている。また、投資信託への投資については、「つみたてNISA」を利用してみたいと考えている。
 そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。X社の財務データ等は、以下のとおりである。

〈X社の財務データ〉(単位:百万円)
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〈Yファンド・Zファンドの実績収益率・標準偏差・相関係数〉
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  • 上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問55

《設例》の〈X社の財務データ〉に基づいて、①X社の2023年3月期の自己資本当期純利益率と②X社の2023年3月期のインタレスト・カバレッジ・レシオを、それぞれ求めなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること。なお、自己資本当期純利益率の計算にあたって、自己資本は2022年3月期と2023年3月期の平均を用いること。

正解 

① 5.45(%)
(51,000百万円-700百万円-3,000百万円)+(52,000百万円-800百万円-3,000百万円)2
=47,750百万円
2,600百万円47,750百万円×100=5.45%(小数点以下第3位四捨五入)
② 12.17(倍)
7,000百万円+100百万円+200百万円600百万円=12.17倍(小数点以下第3位四捨五入)

分野

科目:C.金融資産運用
細目:5.株式投資

解説

〔①について〕
自己資本当期純利益率は「当期純利益÷自己資本×100」で求めます。自己資本の額は、純資産の額から「新株予約権」と「非支配株主持分」の2つを除いた額で、設問の指定どおり2022年と2023年の平均を使います。

 2022年の自己資本 51,000-700-3,000=47,300
 2023年の自己資本 52,000-800-3,000=48,200
 2期の平均額 47,300+48,2002=47,750

2023年3月期の当期純利益は2,600なので、

 2,600÷47,750×100=5.445…%
(小数点以下第3位四捨五入)5.45%

よって、正解は5.45(%)となります。

〔②について〕
インタレスト・カバレッジ・レシオは、借入金などの利息の支払い能力を評価するための指標で、事業利益が金融費用(支払利息・割引料)の何倍であるかを以下の算式で求めます。

 インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)=事業利益÷金融費用

事業利益は、本業の収益である営業利益に金融収益を足した額です。金融収益とは、営業外利益のうち受取利息・受取配当金・その他投資利益等の合計です。

2023年3月期の事業利益は「7,000+100+200=7,300」、金融費用(支払利息のみ)は600なので、インタレスト・カバレッジ・レシオは、

 7,300÷600=12.166…倍
(小数点以下第3位四捨五入)12.17倍

よって、正解は12.17(倍)となります。