FP1級過去問題 2019年5月学科試験 問3

問3

雇用保険の教育訓練給付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 教育訓練給付金は、所定の教育訓練を開始した日において、一般被保険者または高年齢被保険者である者、あるいは被保険者資格を喪失した日から3年以内の者が、当該教育訓練を修了した場合に支給される。
  2. 一般教育訓練に係る教育訓練給付金の額は、教育訓練の受講のために支払った所定の費用の額の20%相当額であり、20万円が上限とされる。
  3. 訓練期間が3年間の専門実践教育訓練の受講の修了後、あらかじめ定められた資格等を取得し、受講修了日の翌日から1年以内に一般被保険者として雇用された場合、専門実践教育訓練に係る教育訓練給付金の額は、最大168万円となる。
  4. 専門実践教育訓練の受講開始時に45歳未満で、かつ、訓練期間中に失業している者は、1日につき、その者の離職前賃金に基づき算出された基本手当の日額と同額の教育訓練支援給付金の支給を受けることができる。

正解 3

問題難易度
肢112.2%
肢213.5%
肢362.7%
肢411.6%

解説

  1. 不適切。3年ではありません。被保険者資格を喪失した後に教育訓練給付を受けるには、所定の教育訓練の開始日が被保険者資格を失った日から原則として1年以内である必要があります(雇用保険法規則101条の2の5)。なお、3年というのは教育訓練給付の支給要件となる被保険者期間です。
  2. 不適切。20万円ではありません。一般教育訓練に係る教育訓練給付金は、支払った費用の額の20%相当額で、10万円が上限となります。なお、20%相当額が4,000円以下の場合は支給されません(雇用保険法規則101条の2の7、同101条の2の8)。
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  3. [適切]。専門実践教育訓練に係る教育訓練給付金は、専門実践教育訓練として支払った費用の50%(年間上限40万円)が支給されますが、受講の修了後、受講修了日の翌日から1年以内に一般被保険者として雇用された場合は費用の70%(年間上限56万円)が支給され、上限額は168万円です。ただし、この上限は訓練期間が3年間の場合で、訓練期間が2年の場合は112万円、1年の場合は56万が上限(訓練年数×56万円)となります(雇用保険法規則101条の2の8)。
  4. 不適切。基本手当の日額と同額ではありません。教育訓練支援給付金は、受講開始時に45歳未満である、これまで教育訓練支援給付金を受けたことがないなどの条件を満たす人が、失業状態で専門実践教育訓練を受講している場合に、教育訓練給付金とは別に教育訓練の修了する日まで支給されます。支給額は失業している日ごとに基本手当日額の80%相当額です。ただし、基本手当の給付を受けられる期間については支給されません(雇用保険法附則11条の2)。
したがって適切な記述は[3]です。